内容説明
薄紅色に覆われた隅田堤。箱屋の新吉は、茶店の脇から、甘酒を売る芸者のお葉を見守っていた。そこへ、元同僚の平岡が現れ、藩に帰参しないかと誘われる。元の名を捨てた新吉の思いとは…。一方、新吉が梅若丸供養の日に木母寺を訪れると、下働きのおさんを見かける。何か訳ありのようで事情を探ると、女衒に売った娘が強盗に殺されてしまい、会えずじまいという。その話に納得のいかない新吉は、真相を探っていくと意外な結末が!?
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京都生まれ。「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
74
読み応えのあり、時代劇と推理小説が一緒になった…。シリーズ3作目。字の大きさは…中。妖艶な向島芸者お葉の「箱屋の新吉」の人情物語です。此度は、取手からおさんが、5年前に女衒・蓑助に売った娘・おさわに会いたさに江戸へ出てきた。それを聞いた新吉が、おさわを探し出すと大名家の姫君となって輿入れする運びとなっているが…。今作は、時代劇と推理小説が一緒になって新吉の過去と、おさわをめぐり蓑助が殺された謎を解く物語となっています。🌿続く→2021/07/27
とし
72
向島・箱屋の新吉「梅若の涙雨」 3巻。新吉さん、時はかかったけれど、小紫のとの関わりに区切りをつけたのかな?2021/08/28
真理そら
55
小紫の件について新吉の中で一つの決着がついた。今後はどうなっていくんだろう。向島のしっとりとした雰囲気が好きなので続いてほしいシリーズだ。2021/04/26
陽ちゃん
5
シリーズ3作目。新吉が漸く小紫とのことに区切りをつけた巻でした。これから、お葉との関係がどう変わっていくのか、楽しみです。2021/07/09
アニータ
4
面白かった。 新吉は侍言葉と箱屋稼業の言葉を上手に使い分けてるなあ2021/07/09