内容説明
古代アッシリヤの大王は、毎夜図書館に出没すると噂される「文字の霊」について、老博士に調査を命じる。博士は万巻の書に目を通すがそれらしい説はない。ある日、ひとつの文字を終日凝視していると、いつしかその文字が解体し、意味の無いひとつひとつの線の交錯としか見えなくなった。この発見を手初めに、文字の霊の性質が次第に判って来たのだが…(「文字禍」)。知られざる傑作6篇を選りすぐって収録。
著者等紹介
中島敦[ナカジマアツシ]
東京四谷に生まれる。昭和8年、東大国文科卒。横浜高女で教鞭を執りつつ、作家を志し、「山月記」等発表。昭和17年12月、33歳の若さでぜんそくの悪化により夭折。死後に「弟子」「李陵」等が発表され、その異才が惜しまれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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