出版社内容情報
衝撃の大どんでん返しに誰もが騙される……。 恐ろしい才能が放つデビュー作。
内容説明
高校時代の初恋の相手・小夜子のルームメイトが、突然部屋を訪ねてきた。音信不通になった小夜子を一緒に捜してほしいと言われ、倉坂尚人は彼女の故郷、北海道・稲守村に向かう。しかし小夜子はとある儀式の巫女に選ばれすぐには会えないと言う。村に滞在することになった尚人達は、神社を徘徊する異様な人影と遭遇。更に人間業とは思えぬほど破壊された死体が次々と発見され…。大どんでん返しの最恐ホラー、誕生!第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・読者賞受賞作。
著者等紹介
阿泉来堂[アズミライドウ]
『ナキメサマ』(受賞時タイトル「くじりなきめ」)で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・読者賞受賞。会社員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
222
阿泉来堂さん初読み。読友さん推薦の横溝賞なので期待していたが......ミステリとしてフェアに伏線を張ってあるし、ホラーとしても定石を抑えて恐怖を表現しているので、標準点の出来ではある......でも、ミステリずれして世俗にまみれたオジサンには先が読めて、怖さも物足りなかったのが正直なところ。共感できる人間が一人もいないのも乗り切れなかった要因。探偵役の作家・那々木は面白いので、もう少し彼が書き込めていればワンランク上の作品になったと思う。ただただ、因習とダメ男の犠牲になったヒロイン・小夜子が哀しかった。2021/02/23
みっちゃん
174
序盤はよくある山奥の閉ざされた村の因習ものか、しかも北海道の岩見沢(作中では巌美沢となっているが)近辺でそれはないっしょ、とちょっと肩透かしな感じだったけど。「僕」と「私」の視点が重なりあう終盤、思わず「うっそ~っ!」と声が出た。ぐるん、と物語世界がひっくり返ってしまったよ。それでも残るどこかがずれている、と感じる違和感がエピローグでさらに!驚いた。まさかのそれか!角川ホラーではあるけれど、ミステリーの面白さ、堪能できた。作家那々木が再登場するという新刊も読んでみたい。2021/05/04
machi☺︎︎゛
142
今年の1冊目はホラー。元カノの小夜子を探すため小夜子のルームメイトと一緒に北海道のある村に向かう尚人。でも村に着いてみると小夜子はある儀式の巫女に選ばれ儀式が終わるまでは会えないと言われる。それまで村にいる事になった2人は夜中神社でこの世のものとは思えない程の恐ろしいモノを見てしまう。それも怖かったけど最後の最後でもっと怖いものに出会った感覚。どんでん返しもあって面白かった。2022/01/04
モルク
114
久々のホラー。高校時代の彼女小夜子が故郷へいったまま音信不通となり彼女のルームメートと探しに行く主人公。23年に1度行われる祭祀の巫女となった彼女。因習深い閉ざされた村で次々と起こる怪奇殺人。想像通りに進むが、中盤からは急展開。なぜ過去の人物がフルネームで出てくるのか、そして叙述トリックにより惑わされ、さらにエピソードでの予想外の結末。進むごとに驚愕。ラストまで楽しめた。2024/01/12
ぽんすけ
104
閉ざされた村での因習に纏わるホラーが大好物の私、読友さんの読書履歴でも気になって(表紙がかなりキテて好み)たので手に取ったのだが、中身はミステリー要素も混じったホラーで最後まで面白く読めた。どうもこれが作者のデビュー作らしく若干文章にこなれてない感じもあったが、叙述トリックにもなるほどと感心したしこれからも面白い本を書いてくれそうな作家さんである。作中の時間軸のずれや弥生の正体に関しては結構早い段階で気づいたが、最後のあの人の正体はわからなかったな。そりゃ小夜子も暴走して殺しまくるのしょうがないわw2025/04/04