さいごの毛布

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041106495
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

年老いた犬を飼い主の代わりに看取る老犬ホームに勤めることになった智美。なにやら事情がありそうなオーナーと同僚、ホームの存続を脅かす事件の数々――。愛犬の終の棲家の平穏を守ることはできるのか?

内容説明

幼い頃から自分に自信が持てず、引っ込み思案。家族とも折り合いが悪く就職活動も失敗続きだった智美は、友人の紹介で、事情があって飼い主とは暮らせなくなった犬を有料で預かる老犬ホームに勤めることになる。時には身勝手とも思える理由で犬を預ける飼い主たちの真実を目の当たりにして複雑な思いを抱く智美は、犬たちの姿に自らの孤独を重ねていく。最期を飼い主の代わりに看取る「老犬ホーム」。身勝手な過去とすれ違うばかりの愛情が、ホーム存続の危機を招いて―。『サクリファイス』の近藤史恵が紡ぎ出した新たな感動物語。

著者等紹介

近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞。同作は第5回本屋大賞2位にも選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

pino

189
ある番組の老犬介護施設の特集をみた。老犬特有の症状を抱えた犬たちがスタッフの手厚い介護を受けていた。高齢な飼い主が病気などの事情で泣く泣く託したそうだ。介護の問題は人間だけではない。作品は老犬ホーム「ブランケット」が舞台だ。一部の利用者のモラルに辟易しながらも、一方で経営を成り立たせねばならない矛盾に向き合うオーナーの葛藤。同時に新人スタッフの心の成長も描かれる。ホームの犬たちもいじらしい。ミステリーの要素は軽めだけど、命を預かり見送る重さを感じた。誰かが掛ける「さいごの毛布」は暖かいものであってほしい。2015/02/09

ダイ@2019.11.2~一時休止

163
老犬ホームのお話。犬と人間の関係がテーマ?。人間の都合で振り回される犬でもこういう施設なら少しはましかな?。2017/10/21

ちょろんこ*勉強のため休止中

151
最初の方は「老犬ホーム体験記」かと思ったほど、ドラマ性に乏しかった。途中からミステリー要素が加わってからは引き込まれた。引っ込み思案の主人公、登場人物も少なく、彼らのキャラにも特異性は感じられない。こういうプロットの面白さで読むタイプの小説は、謎解き要素が多少でもあった方がやはり飽きない気がする。あと老犬ホームが舞台だが、あまり設定が生かしきれていなかったように思う。もっと犬達のエピソードがメインでもよかったのではないか?装丁の色遣いはかなり好き。2014/04/14

NADIA

115
「さいごの毛布」というタイトルと健気な犬のカバーイラストから可哀そうな話を想像していた(byフランダースの犬(^^;)が、老人ホームならぬ老犬ホームでの物語。確かに悲しい別れは物語の中でも数回あるけど、ある意味この職場では特別なことではない。それよりも普段の生活での犬の健気さに切なくなる。猫好きの友人が語った「犬の愛情は重い」がよくわかった。それから、今までは考えたこともなかったが、自分よりも長生きする生き物を飼うことは罪なことだ。絶対にそのようなことはしないようにしよう。2017/01/06

saba

110
このタイトルに舞台は老犬ホーム。老いた犬達で泣かせるのを想像していたが違った。主人公の智美が自分の居場所を見つけ精神的に成長していく話。「犬達のように素直になって、拾えそうなものには手を伸ばしてもいい。」全く同感。 ペットは家族同然と思える人に飼って欲しい。そういった意味でオーナーの元夫の言動は許し難い。2014/06/02

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