出版社内容情報
14歳のあすかのヴァイオリンには数奇な物語が隠されていた…。強制収容所に入れられながらも囚人音楽隊員として生き抜いた少女・ハンナ。家族、仲間、そして音楽のすばらしさを高らかに歌い上げた感動の力作。
内容説明
音楽があるかぎり私たちは生きていける!板東俘虜収容所、アウシュヴィッッ、そして21世紀の日本…。戦火をくぐり、数奇な運命に翻弄された一丁のヴァイオリンが生み出す感動の物語!!
著者等紹介
香川宜子[カガワヨシコ]
徳島市生まれ。内科医勤務のかたわら、地元で小説やラジオドラマの執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
79
帯に「あなたは涙を流さずにこの物語を最後まで読めますか」とあり、勿論涙なくしては読めない物語でした。ナチスのホロコーストの話はもちろん知ってはいたし「アンネの日記」も昔、読みました。でも14歳のハンナに共感しながら読む物語の辛いこと。アウシュビッツやナチスドイツの話はよく知っていたつもりでしたが、なぜ罪もないユダヤ人が大量に虐殺されなければならなかったのか、そしてドイツ人はヒトラーの命令に逆らえなかったのか・・・。鈴木先生の話が出てきて嬉しかったです。http://youtu.be/GbVS-qU8RQc2014/09/06
BlueBerry
49
課題図書。重いテーマで若干苦手な感じだった。子供向けには良い本だと思います。2014/05/28
あやの
41
音楽で世界を平和にすることはできないと思う。でも、音楽で一人一人の感情を揺さぶることはできると思う。極限状態をくぐり抜けたハンナの音楽は、そのヴァイオリンを通してたくさんの人々の心を揺さぶり続けるだろう。私は、慈愛に満ちた精神を持つ「梵天の民」にはなれないだろうけれど、「この人は梵天の民だ」と感知できる力を持った人間でありたいと思う。芸術を始め、この世の美しいものや崇高なものを感じ取る力を失わなければ、少なくとも争いごとを生み出す人間にはならないと思うからだ。2020/01/24
よこしま
31
ドイツ軍の「差別の中に差別を作る」。収容所の中での捕虜でも音楽隊だけが生き残る訳ですから、重労働されてガス室に追い込まれる捕虜たちから視れば、やりきれませんし、ハンナ自身も良心の呵責にさい悩まされるのも当然です。また、ポイントは初めて知った、第一次大戦中、徳島の板東収容所でのドイツ軍捕虜と日本人達の互いに尊重し合う姿でしょうか。この体験したクラウスがハンナを護り、悟らせるのですから。2014/09/20
不羈
23
この季節には戦争に関する本を読みたくて、前に読み友さんの感想で気になっていた本書を入手。ユダヤ人のホロコーストの話を、とあるヴァイオリンをベースに物語っている。事実を基にしたそうだが細かいところで突っ込みたくなるが、中高生にが読んだら、戦争や虐殺について考える良いきっかけにはなると思う。 と、つらつら書いていたらどうやら学生の課題図書に選ばれたようだ。2014/07/10