出版社内容情報
探偵女学校の事件簿、第二弾!
聖アリスガワ女学校の恒例行事、三泊四日の春期合宿が始まった。しかし道中、バスの運転手が倒れ、少女たちは気を失い…戦慄の連続殺人が始まる!
内容説明
ヴァチカン直轄の探偵養成学校「聖アリスガワ女学校」恒例行事・三泊四日の春期合宿が始まった。しかし、遠征先への移動中、運転手は倒れ、生徒たちは次々と気を失い…。気がつくとそこは、目的地とまったく別の「鬱墓村」という、戦争が終わったことも知らない、刻が止まった奇怪な村だった。そして、彼女たちの前で立て続けに起こる殺人事件。犯人論を得意とする、フーダニットの島津今日子、手口論を得意とする、ハウダニットの古野みづき、動機論を得意とする、ホワイダニットの葉月茉莉衣。女学校が誇る精鋭三人組の華麗なる探偵術は、呪われた鬱墓村に、真実と救いの光をもたらすことができるのか!?
著者等紹介
古野まほろ[フルノマホロ]
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Droit et Politique de la S´ecurit´e」専攻修士課程修了。フランス内務省より免状「Dipl^ome de Commissaire」授与。2007年1月、『天帝のはしたなき果実』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
54
めるしびあん!!ふんわりボブWhodunitの茉莉衣!眼鏡っこビューティwhydounitの今日子!そして前髪ぱっつんhowdounitのみづき!まほろ版チャーリーズエンジェルの三人がフルスロットルで三人娘として初めて向かう事件はがちがちロジックでぞなぞな三河弁の春の校外学習!オセロとUNOで楽しい一時。でも、聖アリスガワ学園の校外学習がそんなに安穏とで終わるはずがない。これでもかと詰め込まれた探偵的記号と遊戯、ガジェットに現を抜かせば、メルド!また騙される。はふぅ、とりあえずはこてこての三河弁。ハラショ2014/02/22
藤月はな(灯れ松明の火)
53
外界から閉ざされた村で起こった殺人事件。容疑者は村人全員と遭難しそうなところ、助けられた少女達。ところが村人は全員、いるまんの教えを400年も守る正直族だった。さて問題。正直者と嘘つきを見分けるにはどうすればよいのでしょう?ガチ横溝とエヴァとガンダムだけじゃない版元関係の映画ネタの盛りだくさんぶりや寝言でも三河弁を話すみづきちゃんにウププと笑いながらも行き着いてしまった鬱墓村の最期が悲痛すぎます。そしてその惨劇に仕組まれたことには憤りしか覚えません。しかもお前かよ!人の人生を、命を何だと思っているんだ!2014/03/25
そうたそ
43
★★☆☆☆ あー疲れた。500ページ超という見た目にも大作だが、内容的にはその更に二倍、三倍をいく重厚さ。舞台をしっかりと作った上で、その空間で繰り広げられる謎解き。鮮やかなまでに卒のない舞台設定で、延々と続く設定の説明もそのためには必要なのかも。このクドさと淡々と続く感じが個人的にはどうも苦手で途中でほぼ投げ出してしまったのだが、コツコツと論理を積み立てていくようなこういうミステリって好きな人はすごく好きだろうなあ……。同じ事件を論点・視点を変え考察していくって、きっとたまらないだろう。2016/11/08
朝比奈さん
34
今年読んだミステリでは最上級。(あと1ヶ月あるけれど) 古野まほろ、おそるべし。時系列は前作の前なのな、今日子さんがまだ校長先生に認められて無いのね。 閉鎖空間・止まったままの時計・陰鬱な歴史・絶対的な十戒・正直の村。たーたーりーじゃーの婆様。 設定のぶっ飛び具合とロジカルな展開の融合が素敵です。 これだけ「条件付け」がきっちりしたフィールドの物語ってそうそうないよ。 ただ、忘れ去られてないか、バスの運転手さん。校長先生恐るべし。みづきの三河弁とお約束のエヴァ・ガンダムねたが良い味出してます。 2013/11/16
しろ
25
☆8 今一番楽しみなシリーズかもしれない。ホワイダニット、ハウダニット、フーダニット、それぞれの探偵論の使い手である、茉莉衣、みづき、今日子が今回も活躍。表紙カバーにも三人が揃っている。今作では校外学習なのだが、ある不思議なクローズ・ド・サークルにとらわれてしまう(相変わらず楽しそうな探偵学校)。カトリックのなんやらとかが多かったけど、とにかく限定的なミステリ環境が魅力的。リアル版正直村によるロジックが効いていた。村の因習はよくある胸糞の悪くなるやつだけど、いつもの書きっぷりがより耽美に映えていて良い。2014/02/16