出版社内容情報
親友の異変、瞬時に形を変える土偶、鳥からの謎のメッセージ。そして、大島の火口に身を投げた貞子の母・志津子の秘密。予備校講師の柏田は――古代から続く「リング」の謎に吸い寄せられてゆくが!?
内容説明
予備校講師の柏田誠二は、生きながら“石像”になってしまう不可解な病に伏した教え子の親友を見舞った後、病院内で突然身体の自由が利かなくなり、椅子から転げ落ちた。痙攣する手足、狭くなる視野、失われる言葉…まさか俺も!?恐怖に襲われる中、どこからともなくメッセージが届いたのはそのときだった―「こんどは、あなたの番よ」「リング」の呪いの謎が明かされる、シリーズ最高傑作!
著者等紹介
鈴木光司[スズキコウジ]
1957年浜松生まれ。慶應義塾大学仏文科卒。90年、第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞となった『楽園』でデビュー。95年発表の『らせん』で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。2013年『エッジ』で、アメリカの文学賞であるシャーリイ・ジャクスン賞(2012年度長編小説部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
61
高山竜二と高野舞の系譜がマトリックス!貞ちゃんのDNAが増殖しすぎで大混乱祭になりつつの、魂で辿る貞子・原点の旅。貞子の母・山村静子をめぐる姉と弟の始まりの物語には、深い深い貞子の絶望と苦しみの根源が。暗く出口のない井戸のような魂の牢獄の中で見る死と再生の繰り返しは、まさに地獄のよう。でも、貞子の苦しみや哀しみの本質は、あまり理路整然と詳らかにすると不粋に感じてしまって、今作は少し残念な想いが。次作は是非、SF路線より貞子恩讐路線に回帰してほしい。2018/08/10
おかむー
57
リングシリーズ最新作なのだけれど、もはや二次創作レベルの後付けこじつけだらけ。やはり初期三部作とその外伝まででやめておくべきだったね。『もっとがんばりましょう』。時系列としては『ループ』と『エス』の間に位置することになる本作だが、あらかじめルートの決まっているのが見え見えのゲームをプレイしているかのように、唐突で飛躍した推論や思いつきがそのまま物語の正解となってしまって読者としては置いてきぼり感がハンパない。シリーズを象徴する存在である貞子も余計な後付けばかりでその恨みも矮小化してしまってモヤモヤ。2015/08/12
Our Homeisland
28
手に取るまでは「リング」シリーズとは知らなかったのですが、調べたところでは、シリーズの5作目ということです。4作目の「エス」を除き順番どおりに読んだことになります。初期の、このシリーズ以外のものでも面白い作品が多くて評価している作家ではありますが、今回のは、それほど楽しめたということでも無かったです。ストーリーがぎくしゃくと不自然というか分かりにくくて集中できませんでした。ただし、扱っているテーマはさすがに非常に良いと思いました。2015/01/23
Gemi
22
かなり久しぶりの著者。最早懐かしい『リング』シリーズ、未だに続いているようだ。正しい順序としては『エス』ってのを先に読むべきだったのか。高山竜司、安藤、貞子、浅川、高野舞、懐かしい名前が出てくると旧友に会った気分になる。そして設定のせいか相変わらずややこしい。ただ少々辻褄合わせの後付け感が物語に見え隠れする。それでも引き込まれていたのは事実だが。大峯奧駈修行、辛そうだが興味深い。懐かしくて読めたのだが、全体的に靄のかかった印象。『リング』『らせん』『ループ』を未読だと楽しめないかな。まだ続編がありそう。2013/11/23
たいぱぱ
16
「リング」シリーズの続編。時間軸的には前作「エス」の前と言う事になってます(読後分かったことだけど)。リング3部作(リング、らせん、ループ)の傑作ぶりを貶めているような作品かも。ファンだから読んでしまいますが、貞子と竜司の関係には「なんじゃそりゃ!」しか出てきません。リング3部作に出てきたような謎解きも、今作は意味がよくわからないものになってます。とにかく残念です。2014/03/15
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