出版社内容情報
メジャーリーガー抜きで結成された侍ジャパンは、緻密な野球を武器に準決勝までコマを進めた。しかしそこに待っていたのは、意外な落とし穴だった! 名参謀が明かす侍ジャパンの真実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シブ吉
49
日本中の野球ファンの思いを乗せた打球がプエルトリコのセンターのグラブに収まった時、WBC三連覇の夢ははかなく消えた。本書は、コーチとして、第二回で優勝の美酒を、第三回で悔しい思いを味わった「高代コーチ」が、第三回大会のメンバー選択から敗戦までを綴った一冊。勝利の本は数あれど、敗者の本は、あまり日の目を見ることが少ない。そんな中で、WBCという大会に対し、表には出てこない、代表チームの苦悩や苦労がにじみ出る。「日の丸を背負って戦う」ことの重圧がヒシヒシと伝わる展開と、グランドでの熱い攻防に一気読みでした。2013/06/27
ttiger
12
ずっと『あの重盗』がひっかかっていたので3塁コーチャーの当事者高代氏による書き下ろしを購入してみた。結果的には重盗だけでなく代表監督選び、コーチ選び、前回大会の内実、井端の守備、中田の打撃フォーム改造、フォーカスされた不祥事、深夜の監督部屋での出来事、プロ野球のブロックサインなどマスコミからは決して知る事ができない一次情報に興味深く読む事ができた。プロの延長である代表はすなわち、勝てば官軍、負ければ叩かれる運命であり、重盗のことは水に流そうと思った次第です。2013/09/28
T.Y.
8
著者が第3回WBCのコーチに呼ばれてから、準決勝敗退で終戦するまでの半年間の記(たまにそれ以前の話も)。コーチの仕事の実態、そして体制と様々な問題点、提言…。各試合の描写は緊迫感に満ち、ドキュメンタリーとしても見事。なお山本浩二監督に関しては、その男気は分かったが、ブランク故の問題を指摘した箇所もあり、采配に関しては疑義はあれど褒めている箇所は見当たらず、NPBの人事にも批判あり(これでも監督批判は控えているのが窺えるが)。あとがきでさらっと賞金の行方という恐ろしい話も…敗因はまあ、そういうこと。2016/03/09
いのお
4
WBC日本代表の三塁ベースコーチとしてチームを支えた高代コーチによるWBC回顧録。 毎回監督人事でゴタゴタすることを始めとしたNPBのWBCに対する姿勢への強い不満から提言、WBCコーチになるとそのシーズンはまずコーチ職を失うという実情から簡単に受けにくいという話、そしてあのプエルトリコ戦でのダブルスチールの解説、とすべてを論理的かつ丁寧に詳述していてわかりやすい。 とかく「行けたら行け」が論議の対象となったダブルスチールだが、実際「ジスボール(次の球で走れ)」というサインでダブルスチールを仕掛けることが2013/08/05
やまた
3
WBCをずっと見てた身としては今となってコレ読んでも重盗の裏とかは今更感がありますがキャンプ中の様子とか移動の様子とかが知れたのはとても楽しかったです。台湾戦とか、何度思い出しても、文章で読んでも涙が。。2014/02/25
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- 和書
- 西暦三千年、想いの森