ティンホイッスル

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041103746
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

情熱を失ったマネジャー。復活に賭ける女優と、舞台に招かれる元女優。三人の“運と運命”をわけるものはなにか?初めてあの音を聴いた時、触れたことのない場所に触れられたようだった―。大崎藍子(38)は芸能事務所のマネジャーとして、忙しい日々を送っていた。今日も担当の河野みさき(40)のわがままのため、地方ロケに急遽、参加することに。人気の下落から焦るみさきと対照的に、藍子の仕事への情熱は磨耗していた。そんな中、藍子の耳に一つの音が飛び込む―。選択に惑う人へ―。芸能界を題材に描かれる、“再起”のストーリー。

著者等紹介

中江有里[ナカエユリ]
女優、脚本家、作家。1973年大阪府生まれ。89年に芸能界デビューし、多数の映画やドラマに出演。2002年、処女脚本『納豆ウドン』でBKラジオドラマ脚本賞最高賞受賞。NHK BS2「週刊ブックレビュー」では長年司会を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ポップノア@背番号16

81
「ずっと考えていたことを小説に込めました」と本の帯に中江さんの弁。芸能界を題材にした“再起”のストーリーとも。しかし、それらからイメージする「光と影」的な話とも少し違い、たった一つの出会いで運命が変わる「縁」のようなものを強く感じた。夢半ばで諦めていった人達を沢山見てきたであろう著者ならではの視点と、逆に突然舞台に呼ばれることもあるんだという驚き。この世界で成功するには無欲であることが条件なのか。愛の資質に惹かれるマネジャーの藍子と、人生を変えたいと願っていた愛。二人の多分に波瀾万丈であろう今後に幸あれ。2022/05/09

ベイマックス

76
図書館本。女優さんとマネージャーさんと付き人さんが、一つの映画撮影内でのやり取り。スカウトや、元女優さんらも登場。章ごとで語り手が変わる。そういうお話し。2020/11/17

ぶんこ

62
芸能界で生き残ることの大変さが伝わってくる。有名な女優と、ひょんなことから映画に参加するようになったバツイチ子持ちの元落ちこぼれ女優。演者だけではなく女優を目指しながらも付き人として重宝されている人。わがまま女優に振り回されているマネージャー。一つの撮影現場に集う人々の葛藤が胸をうつ。こういった世界では人柄の良さは関係なく、いかにオーラを出して輝けるかが大事というのに驚きますが、よく考えればそうなんだろうなと納得する怖さ。衣装担当や食堂のご夫婦などの普通の人?が優しくて、真菜ちゃんのためにもよかった。2020/03/03

カナティ

46
著者が女優の中江有里さん。「週間ブックレビュー」を長年担当していたという読書家の中江さんが書いた小説ということで借りてみました。旬の過ぎた女優、そのマネージャー、昔少しだけ芸能界にいて目が出ず辞めてしまった女性の3人がそれぞれの視点で話が進んでいく。淡々とした部分もあり、少し読み進めずらいと感じる所もありましたが、女優さんが書いただけあって描写は細かく、とてもリアルに感じられました。映画撮影の緊迫した空気、殺伐とした現場を垣間見たような気がします。中江さんの前作も読んでみたいですね。2013/10/09

風眠

44
芸能界にいる中江有里さんだからこそ書けた物語なのかなと思う。落ち目の女優、転職志望のマネージャー、かつて芸能界にいて挫折したシングルマザー。とある田舎町での映画ロケ、巡り会う3人の女性。芸能界の裏と表と光と影が、この3人の女性の視点から語られていく。芸能界というと特別な感じがするが、抱える苦悩や葛藤は、私たち一般人と何も変わらないのだと思う。特殊な世界を題材にしながらも、働く女性が抱えるさまざまな想いを描いた物語。だけど女優さんって、やっぱり美しさの質が違うと思う。そのレベルを維持するのも大変だろうな。2014/06/28

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