出版社内容情報
気をつけろ、「あれ」が覗きに来る……。「弔い村」に伝わる戦慄の怪異譚。
辺鄙な貸別荘地にバイトに来た若者たち。彼らは禁じられた廃村に紛れ込み恐怖の体験をしたあげく、次々怪異に襲われる。そこは「弔い村」の異名をもち「のぞきめ」という化物の伝承が残る、曰くつきの村だったのだ…
内容説明
昭和も残り少なくなった、ある夏。辺鄙な貸別荘地にバイトに来た成留たちは、禁じられた廃村に紛れ込み、恐怖の体験をする…(『覗き屋敷の怪』)。昭和の初期。四十澤は、学友の鞘落から、自分の家には“のぞきめ”という化物が取り憑いていると打ち明けられる。やがて四十澤は、鞘落家を訪ねるのだが…(『終い屋敷の凶』)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうじ
202
⭐️⭐️⭐️3/5 ふ〜そんなに怖くなかった^_^序章とかかなり怖がらせる文章だったけど、笑ってしまう所もあったよ^_^でも、のぞきめは嫌だね。誰かに覗かれてるってのは怖いね。女性からの熱い視線なら好きだけどね^_^2016/03/14
nobby
167
これは怖かった…背後や四方にふと感じる視線や些細な隙間から覗かれる脅威、気付けば怪しく振り返るばかり(笑)年代違えど重なるところ多い二つの怪談を順に読ませる構成は分かりやすい。“のぞきめ”という伝承を、最初の話では祟り・呪いなど不明瞭に描いている。それを2つ目で、閉塞的な田舎での村八分な模様や憑き物など重苦しい事実を絡ませて、匂わせていた真打ち登場へと導く。最後に怒濤の急展開みせて閉じられた後、終章で解析される内容が実に上手い!少し強引な設定や伏線があるのは否めないが、何度も感嘆させられた種明しはお見事!2018/02/14
文庫フリーク@灯れ松明の火
166
山神様の依代とされる特別な樹木・いわゆる御神木を故意に、又は誤って伐ってしまった者には【除木子】(のぞきね)という化物が付き纏い、四六時中その視線に覗かれ、神経に異常を来すという。とある山間部に伝わる民間口承。その【のぞきね】から派生・酷い殺生の果てに【のぞきめ】という【穢れ】生じさせた旧家「終い屋敷の鞘落家」祭祀で浄めきれず、尚も繰り返す非道に【穢れ】はますます濃密となり、鞘家への祟りは村人にも被害及ぼす。小野不由美さん『残穢』から初の三津田信三さんは、序章から読者に怪異起こりうる警告付きの実話系物語→2015/10/17
風眠
142
日本の古い因習や民俗学、集落ならではの風習など、こういうことがあったかもしれないと思わせる説得力が、この物語にはある。ホラーだけれど、ただ怖いだけではない。村の災厄を引き受ける依代として、人生を奪われてしまった母娘。ひとりの人間としてそこに居るのに、居ないものとして扱われることが、どれほど哀しくて淋しいことか、書かれてはいないけれど、そんな少女の想いがひしひしと伝わってくる。怪異を生み出すのは、紛れも無い人間であるということ。しきたりのために、口裏を合わせる村人の故意が生み出した、それが「のぞきめ」。2014/04/04
ゆみきーにゃ
118
ホラーが読みたくて選んだ一冊。どんな終わりになるのか、のぞきめとは、を知りたくて一気読み。怖さは感じられなかったが面白かった。廃村になったまでが知りたかったな〜2021/01/26