フェルメールの仮面

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 329p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041102688
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

”もう一人のフェルメール”の正体とは――?

高い模写能力をもつ折原祐一郎は、破格の条件である絵画の修復を頼まれるがそれはフェルメールをめぐる陰謀の始まりだった。贋作疑惑が囁かれるフェルメールの絵画を描いたのは何者なのか? 迫真の美術サスペンス!

内容説明

折原祐一郎は画才を期待されて芸大を受験するが果たせず、パリの私塾で学んだ後に小樽で絵画塾を手伝っていた。画塾の娘・繭と平穏な日々を送っていたある日、かつての恩師シャセリオから一通のメールが届く。祐一郎の高い模写能力が買われ、19世紀の模写作品の修復依頼が入ったという。破格の好条件に一抹の不安を抱きながらも祐一郎は小樽の美術教師、柚子とフランスのモルレへ飛ぶ。そこで“あるフェルメールの絵画”について書かれた謎めいた手記を見つけるが、それはフェルメールの贋作をめぐる陰謀の始まりだった…。暗き栄光と平凡な将来。若き画家が選ぶ道とは―。完全復元模写をめぐる物議を醸す問題作。

著者等紹介

小林英樹[コバヤシヒデキ]
1947年生まれ。東京芸術大学油画専攻卒。愛知県立芸術大学美術学部油画専攻教授。2000年『ゴッホの遺言』で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

172
フェルメールは大ファンでむかしからマウリッツハイス美術館や日本で公開されたときに見に行っています。これはそのフェルメールに関するミステリーなのですが、私はどちらかというよりも作者の専門家としての様々な絵の模写や技法について非常に興味深く読みました。そちらが主題で、話の筋が添え物のような感じで読んでいました。絵の好きな人には楽しめます。ミステリーを楽しむ人には少し不満があるかもしれません。2016/04/02

つーこ

36
私のようなシロウトには本物も模写もわからない。偽物でも綺麗な絵は綺麗なので、本物が傷むのを防ぐ目的や道楽目的ならば許されると思っていたけど、自分は騙せないということなのかな。フェルメールの光の話や利き腕の話はすごく興味深かった。ただ、主人公が魅力的でないことと話がスロースタートだったことで、なかなか本を読むスピードが上がらなかった。さらにちょっと気になったんだけど、会話がどうしてあんなに不自然なんだろう。舞台のセリフみたいな感じで、読むのが疲れた。でもロマンのある話で、全体的にはまずまずというところ。2013/03/31

RIN

33
美大の先生がフェルメールの贋作疑惑を題材に描いた物語。小説仕立てにしたのは、広く一般に絵画の魅力を知ってほしいから、と受け止めておく。模写について全くと言っていいほど知識がなかったので、模写専門の技術者(?)が存在することに驚く。と同時に、絵画の世界も歴史や政治と密接に結びついていることにも興味を惹かれる。中世の西欧美術をよく知る人にはより深く楽しめる一作だと思う。それにしても、「肩書」で「感動」するのは素人一般人だけではないらしいと知り、聊か溜飲を下げる(笑)。2015/09/27

魚京童!

28
展開は下手だけど、専門知識はさすがだよね。2016/03/15

むつぞー

23
美術について模写について、専門的な話が特に前半は多いので、ちょっと絵画に興味のない方には入りにくいかもしれません。 模写という専門的な部分や実際の絵画や画家についてしっかり描かれるので、物語は非常にリアルな感じがします。 この人は実在しないよね?と思っていても、もしかしたらとつい検索掛けたくなりますし、ルーブルに関する話は嘘?ホントなの?とぐるぐるします。 現代のパートも面白いけど19世紀のアンリの話も面白かったです。 絵画に興味がある方向きではあるかもしれませんがが、面白い作品でした。2012/10/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5426530
  • ご注意事項