出版社内容情報
『プリズン・トリック』の著者が描く、密室ミステリ!
長野県議会中、議員が何者かに殺害された。残された紙片には「善光寺を開帳せよ」というメッセージが。犯人の目的は一体何なのか。捜査に乗り出した城取刑事は、かつて自分が担当した冤罪疑惑事件とのつながりを疑う
内容説明
長野県議会中、議員が何者かに殺害された。議場は扉が閉まったままで誰も逃げた形跡がない。残された紙片には「善光寺を開帳せよ」という謎のメッセージ。善光寺の本尊は、数百年の間、誰の目にも触れたことがなく、住職でさえも見たことがないという。犯人の目的は一体何なのか。県警捜査一課・城取は、かつて自分が担当した事件の犯人も善光寺を語っていたことを思い出し、その関連性を疑うが…。やがて明らかになる19年前の冤罪疑惑事件とのつながり。哀しみを背負った刑事の執念が、顔の見えない犯人を追い詰めていく。話題作『プリズン・トリック』の乱歩賞作家が贈る、渾身の社会派密室ミステリ。
著者等紹介
遠藤武文[エンドウタケフミ]
1966年、長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2009年、『プリズン・トリック』で第55回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
65
警部補城取圭輔その1。議会中での殺人。動機がイマイチ理解できないが、それなりに面白かった。2013/11/30
ゆみねこ
59
シリーズ第2弾の「原罪」を読んでからこちらへ。県会議場での狙撃事件と美ヶ原でのイベントの爆発事件、善光寺の秘仏を公開せよと言う犯人の脅迫は何故なのか?冤罪事件との関係は?とストーリーとしては悪くなかったのですが、宗教的なことや歴史的な記述は、ちょっと説明がくどい感じがして斜め読みになってしまいました。犯人の動機も共犯者も、「え?そんなことで人を殺せるの?」というくらい納得がいきませんでした。2015/01/20
nyanco
37
デビュー当時から比べると格段に読みやすくなっていると思います。ただ、今回は「善光寺」「秦氏」に拘り過ぎてしまったかな~作者の出身地である長野ネタで、たぶんコレで描いてみたい!と思われたのでしょうが、私はどうもソレに興味が持てない…だから動機についてもう~~ん…となってしまって。県知事や、刑事と妻の記述の部分はとても良いだけに残念。狙撃事件で始まるオープングも良いし、見つからない銃の謎…もいいのにな~冤罪などなど…ちょっと盛り込みすぎてしまったのに、着地点が悪かった…って感じかな。続→2012/08/31
カナティ
36
城取刑事シリーズ第一弾。先に「原罪」「龍の行方」を読んでしまったので遡って読むことになり、やはり順番に読めば良かった、と思いました。警察物なのだけど長野のお寺や議会、地元に密着したネタや宗教の話が多く、中だるみしてしまう場面も多くて読むのに時間がかかってしまった。面白いとは思ったけれど、ワクワクするような内容ではなかっただけに残念です。2014/11/22
RIN
31
『プリズン・トリック』でも感じたことだが、相変わらず書き込み過ぎ。長野県議会議場の詳細を微に入り細に入り教えていただかなくても・・・という気分になるのは確か^^;。ミステリとしては、ここでも不評レビューが多いように、ツッコミどころ満載ではあるのだけれど、それでも、お伊勢参りのお寺版としか認識していなかった善光寺の由来や秦氏の末裔話は興味深かったし、副題となってどうやらシリーズ化されているらしい長野県警捜査一課の城取刑事はなかなか人間味溢れるよいキャラ。次作も読んでみるつもり。2016/05/09