出版社内容情報
森絵都のすべてが詰まった、9つの作品集。
中学2年の柊也は、クラスメイトの翼の策略により、中華街で無銭飲食の罪を着せられてしまい……(「気分上々」より)。これまでに発表された短編から9つを選りすぐった、森絵都ワールド全快の作品集。
内容説明
「自分革命」を起こすべく親友との縁を切った女子高生、家系に伝わる理不尽な“掟”に苦悩する有名女優、無銭飲食の罪を着せられた中二男子…、人生、単純じゃない。だからこんなに面白い。独特のユーモアと、心にしみる切なさ。森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語。
著者等紹介
森絵都[モリエト]
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業。91年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞、『つきのふね』で野間児童文芸賞、『カラフル』で産経児童出版文化賞、『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
249
9つの短編からなる作品集。バラエティに富んだ構成。「17レボリューション」で、お互いが自然体でいられる空気間を持つ相手を見つけられたのは、とても幸せなことだと思った。二人の幸せが長く続いて欲しい。最後に高々と突き上げた腕が印象深い。「気分上々」での柊也の様々な感情の動きが瑞々しい。森絵都さんは、思春期の中学生や高校生の心情を描くのがリアルで巧みだと思う。それも、比較的平凡な少年、少女たちの心情を描くので、自分の過去と重ね合わせて考えることが出来る。生まれる共感は生き生きとして自然に微笑みが浮かぶ。良作。2017/10/14
風眠
164
この作家は短篇が本当にうまいなぁ・・・読み終わったときの幸福感と言ったら! 短い中にめいいっぱいドラマ詰まっていて、どこにでもありそうな無さそうな絶妙な特別感があって、それでいてどの話もくどくない。『17レボリューション』と『気分上々』は思春期特有の微妙な感じがよく表れていて、本当に素晴らしかった。『ブレノワール』はフランスの保守的な村で生きるために、いろいろな決断をした母と息子の葛藤が描かれている物語だけど、あまりにも美しくてその世界観にうっとりだった。また明日も生きてみようかなと思わせてくれる短篇集。2012/07/29
takaC
148
ちなみに自分は「完全対称」です。2012/10/02
紫綺
129
森絵都さんの短編集。超ミニあり、中短編あり、内容も様々、掲載も様々。「ブレノワール」が好き♪ガレットが食べたくなる。でも表題から期待していた「気分上々」とはいかなかった。どちらかというと切なさを感じる一冊だったな。2012/07/05
くりきんとん99
120
やっぱり森絵都さんはいいなぁ。この短編集は、数ページのモノから数十ページのモノまで様々。世界も様々。飽きずに読むことができた。どれも良かったけど、お気に入りは「17レボリューション」「気分上々」かな。あまり読んでいなかったけど、他の作品も読んでみようっと。2012/03/27
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