角川oneテーマ21<br> 海戦からみた太平洋戦争

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角川oneテーマ21
海戦からみた太平洋戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 218,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784041100837
  • NDC分類 391.27
  • Cコード C0295

出版社内容情報

真珠湾攻撃70年! 海軍が辿った「失敗の歴史」から描き出す日本の姿

太平洋戦争の実像は、日清・日露戦争に始まる「五十年戦争」の終局としてはじめて明らかになる――。真珠湾攻撃から戦艦大和の建造、史上最大のレイテ沖海戦まで、海戦史の第一人者が明かす日本現代史の深層。

内容説明

昭和の日本海軍はなぜ、日露戦争の“完全勝利”再現に失敗したのか?真珠湾攻撃後の最大の問題は、日本国民はもとより、日本海軍の当局者もすべて攻撃の成功にすっかり酔ってしまい、作戦実施上の問題を真剣に検討しなかったことにある。連合艦隊司令部は、図上演習で予想された艦隊の不備に対策を講じることなく、作戦強行のため、希望的観測に終始するようになっていった。そして迎えた、ミッドウェー海戦―。

目次

はじめに―「失敗の歴史」の教訓
第1章 真珠湾攻撃と山本五十六の真意(日露戦争後の日本海軍作戦計画;狙いは日本海海戦の「勝利」再現 ほか)
第2章 ミッドウェー海戦の敗北、そして消耗戦へ(奇襲成功に酔いしれる海軍;杜撰なミッドウェー作戦計画 ほか)
第3章 連合艦隊の潰滅―マリアナ沖海戦・レイテ沖海戦(主力艦隊は戦艦から空母へ;米軍のサイパン上陸 ほか)
終章 「全軍特攻」と化す日本海軍(「合理的作戦」の破綻のあと;「特攻兵器」生産と「必死隊」募集 ほか)

著者等紹介

戸高一成[トダカカズシゲ]
1948年宮崎県生まれ。海軍史研究家、呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。多摩美術大学卒業。財団法人史料調査会主任司書、同財団理事、厚生労働省所管「昭和館」図書情報部長を歴任し、2005年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てつのすけ

19
論理的な作戦立案がなされず、精神論による戦争指導が、日本を敗戦に導いたのではないかと考える。なぜ、優秀な集団が精神論を重要視したのかが、気になるところだ。2023/12/16

skunk_c

18
太平洋戦争の海戦を批判的に取り上げた書。まず真珠湾攻撃について、山本五十六はそもそも無理な計画を立案することによって、戦争を諦めさせようという意図があったのではないかとの指摘が斬新だった。同時に軍人としての山本の血が猛訓練と作戦の「成功」になったとも。その後について「絶対国防圏」を設定すべしという陸軍を無視した拡大路線が墓穴を掘り、アメリカの技術について行けず、「アウトレンジ」を支える砲術が未熟であったなど辛辣。そして特攻という「作戦の外道」に突入する。戦闘と戦争の区別が付いていないトップの軍隊は悲惨だ。2018/02/10

長谷川透

18
この手の本は、本当に嫌だなぁ。著者が悪いわけじゃない。調査は入念であるし、この分野の第一人者なのだから、事のあらましを具に洩れなく記している。個々の作戦は、勿論全てとは言わないが妥当なものも幾つかある。ところが、作戦の構想や決定を下す過程があまりに馬鹿げている。正直これでは上手くいった作戦も結果オーライとしか思えない。そして最もうんざりするのがアホみたいな作戦に駆り出された一兵卒たちだ。この作戦では然々の戦死者が出た、という下りを一体何回読まされただろうか。こういうのはジャブのように効いてくるんだな。2013/09/02

yo

4
この「失敗の本質」系列の太平洋戦争論には1つ気をつけなければならないことがある。それは、「じゃあ、その『失敗』をしなければ、どうなったのか?」という視点が欠けていること。それがなければ戦争に勝てていたのか?その作戦は成功したということなのか?そもそもどうなれば勝ちなのか?作戦の成功は何で判断するのか?そういう視点がないと、本来は何が失敗だったかとか、それは避け得たのかとかはわからないんではないか。2015/01/08

そらのひつじ

4
ミッドウェイ敗戦の原因となった慢心、レーダー等の新技術の見落とし、航空戦力の消失、情報の錯綜、そして末期の特攻の悲劇と、タイトル通り海戦を通して太平洋戦争敗北への道を追う事ができた。また酸素魚雷の考察が興味深い。酸素魚雷は速度も射程も突出した性能であったが、それゆえ命中率の低い長距離発射する戦術が常態化し、かえって戦果があがらなかったそうだ。長所さえも裏目に出てしまうのは、分析のいたらなさかによるものか。徹底的な敗北と多くの犠牲に暗澹たる想いになる。2014/08/21

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