出版社内容情報
明治初期から大正へ、政治思想はどのような展開を遂げたか。近代日本政治の「歴史的文脈」を解明するシリーズの第5回配本。
内容説明
明治から昭和初期の政治家、思想家の主張や行動に見出すことのできる「自由主義」の要素を検討し、近代日本が直面してきた課題を浮き彫りにする。
目次
第1章 「天賦の通義」?―明治初期「自由」論争
第2章 マジックワードとしての「立憲主義」―脱魔術化と再生の試み
第3章 草創期の早稲田政治学
第4章 「自治」と「いやさか」―後藤新平と少年団をめぐって
第5章 大震災下の自警団をめぐる議論のねじれ―警察と「社会の発見」派知識人
第6章 進歩政党統治の焦点―犬養毅と安達謙蔵
第7章 二つの世紀末における「開国」と「国づくり」―明治の「内地雑居」と平成の「労働開国」
第8章 小会派政治家の選挙・政党観―花井卓蔵と田川大吉郎
第9章 普選と未完の政治改革―選挙制度改革という隘路
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
13
近代日本政治史と政治思想の専門家による論文集で、6分冊の中の第1集で、自由主義の政治家と政治思想という分野での展開です。明治初期から平成までの時代をそれぞれのポイントに絞って9人の学者が論じています。かなり専門的な内容で、今後政治学の分野で研究しようという人にはいいかもしれません。2014/07/04
歴史好き
1
政治史・政治思想史の架橋による自由主義探究の論文集。個人的には菅原光先生ご執筆の第2章が興味深かった。同章は、なんとなく知ったような気でいる「立憲主義」や「三権分立」について、読者に再考を迫る内容となっている。2021/01/23