出版社内容情報
開国前夜の江戸に生きる武士の一分を描く時代エンターテインメント!
ペリー来航に騒然となる江戸。用心棒稼業で糊口をしのぐ浪人の橘周介は幼なじみに黒船斬り込みの計画を打ち明けられる。国元からの刺客、謎めいた娘への想い。一本気な青年武士の恋と青春を爽やかに描く剣豪時代小説
内容説明
開国前夜の江戸。腕一本の用心棒稼業で糊口をしのぐ浪人の橘周介は、国の誇りと武士の意地を賭けて、黒船斬りこみを決意する。差し向けられる刺客には巌流の秘技一心一刀で対するも、強情っぱりで謎多き娘、奈津には歯が立たず…。めまぐるしく変わろうとする時代に翻弄される一本気な青年の恋と青春、そして葛藤を爽やかに描く剣豪時代エンターテインメント。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年、愛知県生まれ。98年『走るジイサン』で小説すばる新人賞を受賞。2006年『雲を斬る』で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
90
訳あって脱藩した武士が、口入屋を通して、用心棒で生計をたてている。その用心棒の日々、憎めない、橘周介。優しい心根なんでしょう、気を寄せる女性にも、なかなか言い寄れない。ほのぼのとした雰囲気漂う、楽しい時間でした。 2021/10/14
Lara
85
一年強前に読んでいたが、詳細は思い出せず。なんだか魅かれて再読。久しぶりの時代物、落ち着いて楽しめた。地味な脱藩、元武士、女性にはもっぱら弱腰、ただ剣の腕は秀でており、口入れ屋をとおし、用心棒の仕事をこなす。著作者、池永陽氏の他の作品も読んでみたくなった。2023/01/07
Mc6ρ助
11
主人公もヒロインの奈津さんも相当ヘンテコだと思うけれど、それにしてもトリックスター山田朝右衛門さんまで出してきてその後がないなんて蛇の生殺し、あんまりだと思うよ。藤沢周平御大の「用心棒日月抄」と比べちゃいけないけど青春譚としたらこれはこれで、「続きが読みたくなる度」はこちらが上(あっちは一応完結してるからだけどね)。角川さん今からでも遅くはないから続刊を出しておくれ・・・。2022/04/10
あきこ
3
池永さんの新作。いつも通りの人情あふれる時代物だ。黒船来航の頃、攘夷の動きを交えながら、主人公の用心棒暮らしの日々が描かれている。用心棒仕事のやり取りや、戦う場面ももちろん面白いが、全体に流れる上士下士の身分の悲しみ、武士として最後の時代の生き方など背景もいい。最後の浜の場面では恋する娘の父親と対するが、その父親の言葉も時代の温かさを感じさせる。でも、主人公の欲の無い誠実な生き方あっての話で、その人柄が招く物語である。2011/12/01
サナミミ
2
浪人の橘周介とふとしたきっかけで知り合う奈津。口入屋の仕事を通して様々な人、事件とと関わりあう。泰平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず2017/04/16
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- 和書
- ゆうじょこう 新潮文庫