出版社内容情報
介護施設「アミカル蒲田」で入居者の転落死亡事故が発生した。
事故の状況に違和感を覚えたルポライターの美和は、第一発見者の介護士・恭平の関与を疑う。
恭平は「長生きで苦しんでいる人は早く死なせてあげたほうがいい」と公言していた。彼の過激な思想から生じた殺人事件なのか?
介護現場の厳しい現実を知って美和の疑惑が揺らぐなか、第二、第三の死亡事故が発生し、事態は意外な展開に――。
実在の事件から着想した衝撃作。
内容説明
介護施設「アミカル蒲田」で入居者の転落死亡事故が発生した。事故の状況に違和感わ覚えたルポライターの美和は、第一発見者の介護士・恭平の関与を疑う。恭平は「長生きで苦しんでいる人は早く死なせてあげたほうがいい」と公言していた。彼の過激な思想から生じた殺人事件なのか?介護現場の厳しい現実を知って美和の疑惑が揺らぐなか、第二、第三の死亡事故が発生し、事態は意外な展開に―。実在の事件から着想した衝撃作。老人ホーム連続転落死事件の闇に迫る衝撃のサスペンス。介護現場の実情と「安楽死」を語るノンフィクション作家・中村淳彦氏との対談を収録。
著者等紹介
久坂部羊[クサカベヨウ]
1955年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。作家・医師。2003年、小説『廃用身』でデビュー。医療分野を中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
79
介護施設で起きた連続死は不慮の事故か、殺人事件か。「長生きで苦しんでいる人は早く死なせてあげたほうがいい」厳しい現場に身を置く介護士の言葉には頷けるところもあるけれど、楽にしてあげたい気持ちと実行する行動は簡単には結びつかない。自分が苦しくなった場合と大切なひとが苦しい場合はまた違うだろうし、答えは出ないがいろいろと考えさせられた。2023/02/08
紫綺
54
単行本にて読了。全身麻痺で植物人間状態になった時は、マジで死にたいと思った。しかし、動けないので当然自死はできない。そんな時、介護士Kが居てくれてたら…。て思ったかもしれない。2023/07/18
坂城 弥生
53
「介護」避けられない、避けられないと繰り返しながらも棚上げしてる問題の一つ。黒原医師の言葉は間違いなく正鵠を射てるんだろう。公の場で口にすれば確実に非難されるけど。2021/01/13
菜穂子
46
川崎の老人介護施設で起きた事件を元に書かれたもの。日常の介護や対応に疑問を投げかけ、虐待が起こる素地など、内と外からの捉え方は決して簡単に理解出来るものでは無いけれど、死なせてあげることが介護が必要な老人の希望を叶えるための手段だったと言う発想には至らない。悩みつつも良い介護を目指している方たちの心を打ち砕くような出来事だった。先日長年老人介護施設で過ごした伯母が95歳で息を引き取った。コロナ禍で会えなかったがとても穏やかな顔だったと従姉妹から聞きほっとした。2023/02/23
カブ
34
介護施設で起こった転落事故、窒息死。1人の介護士との関わりから事故ではなく事件へと捜査が進む。現実の厳しい介護現場に立ちすくむ。それでも殺人は容認できない。犯人とされる介護士・恭平が怖い。2023/02/20
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