角川文庫<br> 津軽 (改訂3版)

角川文庫
津軽 (改訂3版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 209p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041099056
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

宿命の生地・津軽への思いを素直に綴った名紀行文昭和19年、風土記の執筆を依頼された太宰は三週間にわたって津軽半島を一周した。自己を見つめ、宿命の生地への思いを素直に綴り上げた紀行文であり、著者最高傑作とも言われる感動の一冊。

太宰 治[ダザイ オサム]
著・文・その他

梅 佳代[ウメ カヨ]
写真

祖父江 慎[ソブエ シン]
著・文・その他/イラスト

内容説明

昭和十九年、風土記の執筆依頼を受けた太宰は、三週間にわたって津軽半島を一周した。懐かしい故郷の風土と素朴な人柄、そして旅の最後に訪れた乳母たけとの三十年ぶりの再会…。自己を見つめ直し、宿命の生地、津軽への思いを素直に綴りあげた紀行文。太宰の最高傑作との評価も名高い、感動の一冊。

目次

序編
本編(巡礼;蟹田;外ヶ浜;津軽平野;西海岸)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まあちゃん

26
文学っていい。太宰が風土記執筆の為故郷を訪ね歩く。親戚友人を頼りに、めっちゃお酒飲みながら。芭蕉の旅を引き合いに出したり。兄宅の古池に蛙がぽちゃりと飛び込む小さな音を聞き、芭蕉の「古池や…」の句の価値を見出す。ぽちゃりという世の中の片隅の貧弱な音を聞き、芭蕉はきっと「わが身につまされるものがあったのだ」と。幼少期、本を読んでくれて面倒を見てくれ、母と慕った「たけ」を訪ねる。再会を喜び、かつ、自分のアイデンティティが津軽の郷土のほか、このたけの人柄にあったのだと悟る。巻末太宰の経歴、自殺未遂の多さに驚く。2015/08/18

更夜

17
新潮文庫版を揃えていたのに、この『津軽』だけは角川文庫にしたのは解説が町田康さんだったからです。昭和19年、30代になった太宰治は生まれ故郷の津軽を訪ねる。冒頭にまだ子供の頃、どんな子供だったかが書かれているのですが、「おしゃれ童子」からの引用で「おしゃれな子供」だったのに、時代もあって国民服にゲートルというのが不満なのです。どこまで「おしゃれ」!なつかしいというより、津軽の人ってこうなんだよねぇ、と嘆息しながら、自虐的に描かれる津軽行き。解説にある「こだわりとこわばり」が強調されます。読んでてつらい。2015/11/14

Jiemon

9
太宰にしては明るい、精神的にも安定している時期に書かれた小説で、彼の精神の基底となっている生まれ故郷を、慈しみ、愛する気持ちが素直に表れてとても良かった。特に旅の最期に一番おいしいところとしてとっておいた小泊に嫁いだ、昔の太宰の子守り"たけ"との出会いはとても感動的。太宰が3歳の時、たけが14歳から子守が始まったというから、たけは乳母替わりというより、お姉さんの年の差。お互い一番多感な年頃の6年間を過ごしたので兄弟以上の絆で結ばれていたのだろう。30年近くを経ての再開で心が高揚したまま小説が終わる。2016/08/08

mshiromi

9
津軽を旅した風土記。金木、弘前、小泊、鯵ヶ沢、浅虫、青森、深浦、五所川原、黒石、鶴田、板柳、岩木山、…全てを訪れた訳ではないが、幾つもの点と点が線になり津軽平野は太く結ばれている。津軽を形容するならばこういう感じかな。津軽の人は津軽の人を大切にする。彼は津軽では生きていけなかったが、全て津軽弁で会話が書かれていないのに違和感を覚えるほど彼は津軽の人だ。作品の中には津軽の人を思い出す事も少なくない。彼が旅をするのは「苦しいから」。末尾には「…虚飾はしていない…読者も騙していない…」と書かれていました、。2016/02/27

jackgingereric

8
Sさんと鯛の切り身のところが笑えた。郷土愛。郷里があることを誇りに思える。2013/03/18

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