角川文庫<br> 女生徒 (改版)

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角川文庫
女生徒 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041099025
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンタマリア

61
女性が主人公の短編集。表題作の女生徒は不安定な少女の心情を綴った話。それがただひたすら頭の中に流れ込んできた。非常に僕好みだった。短編集全体では共感できたりできなかったりといろんな女性の姿があったように感じた。なにか共通項があるのだろうか。女性の心の強さかな。ちょっと違うか。「燈籠」「女生徒」「千代女」が特に好き。 僕が女性だったらどんな感想を抱いただろうか。来世は女性がいい。2021/01/02

月島雫

34
「一つの本を読んでは、パッとその本に夢中になり、信頼し、同化し、共鳴し、それに生活をくっつけてみるのだ。また、他の本を読むと、たちまち、クルッとかわって、すましている。」どうして、太宰は思春期の女の子のこの意味のないモヤモヤとした感情を描くのが上手なんだろう。またどうして女の子ってこう意味のないことを1日中考えていられるのだろう。自分が女ながらに不思議です。私も私の不安定さがわからない。2015/06/18

にゃおんある

29
メガネをかけた機転のクルクル回る女子学生。ビー玉の箱を零したような騒々しい心の変化がどことなく可愛らしい。賑やかだけどうるさくない程度で天然に湧いて出る泉のような感情がそのままに透き通っている。汚れのない感情。彼女自身は心の汚れを感じ嘆息する場面があるのだけれど、ピュアでなければ濁度を感じないだろうにと微笑ましくさえ感じられた。朝起きて寝るまでのつぶやきが浮いたり沈んだりしながら不条理に遷移する。 不条理に? はてと考える。そういえば昔の自分のそういう変化に心あたりがあったことを思い出す、甘酸っぱい作品。2017/11/08

Wisteria

27
「女生徒」はまさに女生徒だった頃に初めて読んだ。あんな根暗なおじさんが、どうしてこんなに瑞々しく可愛らしいお話を、まさに女生徒になりきって書けるんだろうと不思議に思った記憶がある。今回他の短編も含め、太宰の書く女性主人公ものはとても面白いと知った。しょうもない男に手を焼く女の気持ちがこんなに解っているのに、何故彼自身はあんなだったんだろう。太宰の作品は、作家本人の人生も含めて味わえる。ただもう亡き人だから言える事だけれど、ツッコミ所が多過ぎるようにも思う。「おさん」、あの小説を書いた人があの死に方…。2015/12/05

tomo*tin

27
実は太宰は性同一性障害で女子の心を持っていたのではないか、と本書を読む度に思う。気持ち悪いくらいに女子なのだ。視点も言葉の選び方も何もかも。個人的には「灯篭」「皮膚と心」「貨幣」あたりも外せないが何はともあれ「女生徒」が秀逸。全文引用したいくらい良い。太宰はちょっと…、と思っている人にも本書なら私は薦められる。純粋で汚濁で清楚で孤独。表裏の絶妙。苦しさや侘しさや鬱蒼としたものを奥底に飼いながらも、私たちはみんな本当のものを知りただ美しく生きたいのだ。乙女で何が悪い。というわけで太宰がモテるのも納得な一冊。2009/05/28

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