内容説明
厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ、自分と同じ25歳の青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める―。一方、30代後半に差し掛かり夫との関係性や将来への不安を抱える切り絵作家の女性、幼なじみを助けたことでいじめの標的になった中学2年生の学級委員長の男子は、それぞれのフィールドで精いっぱい日々を送っていた…。現代社会をもがき生きる苦難と希望を描く、人生讃歌の物語。夭折の歌人が唯一遺した短歌集原作の映画を完全小説化。
著者等紹介
萩原慎一郎[ハギハラシンイチロウ]
1984年、東京都生まれ。私立武蔵高校、早稲田大学卒業。17歳の時に短歌を始める。りとむ短歌会所属。朝日歌壇賞など多くの賞を受賞した。第一歌集『歌集 滑走路』原稿入稿後、2017年6月逝去。17年12月、『歌集 滑走路』出版
藤石波矢[フジイシナミヤ]
1988年、栃木県生まれ。大正大学文学部、東京ビジュアルアーツ映画学科卒業。2014年、第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞・大賞を受賞した『初恋は坂道の先へ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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