出版社内容情報
就職活動に失敗し、夢も希望もないまま生活していた海帆。ある日、高校時代の友人から来たメッセージをきっかけに、なぜか高校の入学式後の教室にいた。記憶の奥に閉じ込めていた高校生活を再び送ることに。
内容説明
好きなものがない。それは、「なんにもない」のと同義なのだろうか―25歳のフリーター・海帆はひょんなことから高校生活をもう一度送ることになる。そこで出会ったのは、記憶にないクラスメイトの龍禅寺。外見とは裏腹に妙に大人びている彼のおかげで、苦手だった友人関係に向き合ったり、初恋に気づいたりと青春を精いっぱいやり直す。しかし、担任が好きだと言う龍禅寺には秘密があるようで…。『さよなら、ビー玉父さん』の著者が送る、感動の青春小説。
著者等紹介
阿月まひる[アズキマヒル]
大阪出身。第1回角川文庫キャラクター小説大賞に応募した「仙人系クズ男のA玉」に加筆し、改題した『さらなら、ビー玉父さん』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
61
ただなんとなく周囲の人に深く踏み込まずに終えた高校時代を、何も持たない25歳の女の子がやり直したら…そんなSFっぽいお話。 人の内側に踏み込むということは自分をさらけ出すという事でもあって、傷つけられるリスクも高い。でもだから消えない情が芽生えるのかも。そして性的マイノリティとかをサラッと受け入れ常識や一般論を突き放す強さが眩しかった。2021/03/04
よっち
42
就職に失敗して希望もない日々を送る25歳のフリーター・海帆。ひょんなことから高校生活をもう一度やり直すことになった彼女が、記憶にないクラスメイトの龍禅寺光と出会うタイムリープ小説。窮屈だった交友関係をキッパリと諦めて、好きなように孤高の高校時代を生きることにした海帆。そんな彼女の周囲にするりと入り込む龍禅寺がいて、かつての友人たちの知らなかった過去を知ることになって、やり直した過去が現在に反映されてゆく展開でしたけど、向き合って変わったこと、変わらなかった想いの先にあった結末がなかなか印象的な物語でした。2021/02/03
おれんじぺこ♪(16年生)
27
なんとな~く生活している25歳のフリーター海帆が15歳の高校生に戻ってしまう。過去をやり直すことで変わってしまう未来の自分や友達との距離。友人との距離感は(他人の考え方がかかわってることなので)変えることはできないかもしれないけれど、自分自身は過去に戻らなくても変わろうという意識を(強く)持つことで変えられると思う。2021/03/07
なっぱaaua
26
久しぶりにタイムリープものを読んだ。海帆はダメダメフリーター25歳女子。ひょんな事から15歳、高校1年にタイムリープする。そこで出会う龍禅寺をきっかけとして、高校時代の友達との付き合いのやり直しと一人の男性に恋をする。海帆が一から高校生活をやり直して、自身を立て直していく姿に好感が持てましたし、龍禅寺との別れの後の恋心が進むシーン、それに繋がるラストがさっぱりしていて気分が良かった。ただジョジョは若いうちに離脱してしまったので、オタクのシーンが続くところはよく分からないなぁというところがあったのはご愛嬌。2021/01/23
稲荷
22
最初は、タイムリープもので現実感のなさそうだと思っていたけど、内容はいい意味で人間味のある話だった。自分もこの先どうなるのか、いつか"今"を後悔する時が来るのか…考えながら読みました。2021/01/25