出版社内容情報
金髪の美少年セドリックの愛と思いやりが、読む人の心を幸せで包みこむ
内容説明
セドリックは病気で父を亡くしてからも、周囲の人々に見守られながら、アメリカで生活していた。ある日、彼の前にドリンコート伯爵の弁護士が現れ、フォントルロイ卿として祖父の下で暮らすことに。母と2人でイギリスに渡ったものの、大好きな母は城の近くに居を構え、別々の生活を送ることになる。そんな中、セドリックの純真さと思いやりに心を動かされた伯爵は、頑なだった心を徐々に開いていく。児童文学の不朽の名作。
著者等紹介
バーネット,フランシス・ホジソン[バーネット,フランシスホジソン] [Burnett,Frances Hodgson]
1849年イギリスのマンチェスター生まれ。小説家。何不自由ない生活を送っていたが、幼くして父親を亡くし、一家でアメリカに移住する。貧しい家計を助けるために、得意としていた物語作りの能力を生かし、雑誌社に作品を送り始める。86年に次男をモデルにした『小公子』が出版されると大評判に。その後、1905年に『小公女』、11年に『秘密の花園』を刊行して、児童文学作家としての地位を確立。24年没
羽田詩津子[ハタシズコ]
翻訳家。お茶の水女子大学英文科卒業。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鱒子
72
簡単に言っちゃうと、出木杉くんとスクルージの物語——などと身も蓋もないのですが、さすが世界的名作、心揺れるポイントがいくつも有り、温かな気持ちになります。33年ぶりの新訳だそうです。とても読みやすい。2021/02/05
mahiro
20
初めて読んだのは村岡花子訳、優しい感じの文で子供にはぴったりだったと思う。今回読み返す時他社の文庫版と比べて村岡訳とは雰囲気の異なる方を選んだ、作品の印象が変わる物ではないけれど。何度読んでも安心してストーリーを楽しめる、セドリックが良い子なのは勿論だけど周りの人もみんなセドリックにコロリと転がされる『善人』ばかりで微笑ましい気分になる、セドリックが成長した時本物の悪人に出会って騙されたらどうするんだろうと初読みの小学生時代でさえ思ったが、持前の心の豊かさと勇気で乗り切るに違いないと思っておこう。2021/03/07
キキハル
19
急に読みたくなって。家にあるはずなのだけれど、どこにあるのか探しても分からなくて買ってしまいました。こういう純粋無垢な物語を欲するのは、たぶん少々疲れているからなのかも。淀み濁った心にはいいカンフル剤になります。後は小公女も読みたいが家の中で探す気力が湧いてこない。小人さんがそっと机の上に置いておいてくれないものかと、密かに期待している。2021/02/12
100名山
8
Amazonからの試供品。アメリカ人女性と結婚したが故に伯爵から勘当された三男坊の7歳の一人息子が伯爵の世継ぎになるためにイギリスの城に招かれて伯爵の心いやすお話。善人は金髪で見目麗しく身体しなやかで勇敢でなくてはならない。莫大な資産と困窮する領民の関係は顧みず、施しをして自己満足する無知な少年のお話。14年先に生まれたマーク・トウェインの作品と大違いです。しかし主人公のセドリックはよくポケットに両手を突っ込んでいたが、何を意味するのか。非常に読み易かったです。2021/03/17
aoko
8
33年ぶりの新訳とのこと。小学生の時に読んで、初めて感想文を書いて褒められた記憶があり、思い出の1冊。10歳の誕生日にもらった本だった気がする。セドリックに近い年だったが、今やドリンコート伯爵に近い年齢となり、ドリンコート伯爵がよくまあ心を入れ替えたものだと感心した。セドリックの素直で人を思いやる心に、癒された。2021/02/20