内容説明
日本の戦後政治、それはフィクサーや大物右翼、総会屋など黒い紳士とのつながりの歴史でもある。ある者は戦中戦後の混迷期に暗躍して政財界に君臨し、ある者はGHQや北朝鮮との橋渡しをして利権をむさぼり巨額の富を得た。つかず離れず彼らと関係をなし、ときに政治生命を断たれるにもかかわらず続いた「政界と闇社会の黒い蜜月」とはいかなるものだったのか?「桜を見る会」にも表れたそのズブズブの構造を明らかにする。
目次
序章 安倍首相が隠したかった黒い紳士
第1章 政界ヤクザの系譜
第2章 バブルを泳いだ総会屋の生態
第3章 原点は満州・上海人脈にあり
第4章 海外から襲来した仁義なき戦い
第5章 政界のドンが転落
第6章 最後のフィクサーと新しい勢力
著者等紹介
一橋文哉[イチハシフミヤ]
東京都生まれ。早稲田大学卒業後、全国紙・雑誌記者を経てフリージャーナリスト。本名など身元に関する個人情報はすべて非公開。1995年、「ドキュメント『かい人21面相』の正体」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たぬ
20
☆3.5 総会屋って見た目厳つくて無駄にでかい声(もちろんダミ声)のおっさんが株主総会で野次ってる程度かと思ってたけど奥が深いのね。安倍晋三だの森繁久彌だの赤川次郎の父親だの名前が出てくる面々が有名どころばかり。これ読むと政治家って金銭欲と地位欲のためだけに動いてるんじゃと思えてしまう。金が絡むとろくなことにならないなー。2021/11/19
しーふぉ
17
好きなノンフィクションライターの作品ですが、ちょっと予想していた内容とは違いました。最初は桜を観る会の話しから、過去の総会屋やフィクサーの話しになって行き…歴史の話しになっていったので、現在の話しを聞きたかったのが本音です。2024/10/26
緋莢
14
図書館本。大物右翼や児玉誉士夫や〝政商”小佐野賢治、80キロもの金塊があり、その一部は無刻印のインゴットで 北朝鮮から見返りとして得たのでは?と疑惑があった金丸信など、あらすじにある 「政界と闇社会の黒い蜜月」が、よくわかります。ホテルニュージャパンの火災で批判を浴びた 横井英樹、事故現場の前でマイク片手に「火災が九階、十階の一部にとどまったのは不幸中の幸い」と語ったり、 かつて組員に横井の銃撃を指示した安藤昇に「あの時撃ち殺しておけば」と言わせるなんて相当だなぁ、と。2025/04/08
Hiroshi
7
官僚や秘書官が表の補佐官だとしたら、裏の補佐官と位置づけられるのが政界ヤクザである。政治家の裏金作り、選挙の裏参謀、選挙区の有力支持者の利害関係の調整、敵対勢力との暗闘指揮と排除、政治家のスキャンダルのもみ消しを行う。彼らは企業舎弟・総会屋(経済活動を主)・政商(政治経済両方)・フィクサー(闇で全てを支配)と呼ばれる。総会屋では小川薫がいる。論談同友会の正木龍樹、小川の弟子の小池隆一もいる。1株でも総会に出席して荒らした。雑誌に賛助広告を出させる。小池は証券スキャンダルで有名に。商法改正で総会屋は消える。2024/01/31
fseigojp
7
安部の桜の会は、せこい利益誘導だとわかる 昔は、スケールが大きかった2022/05/01