内容説明
高家の名門・吉良家の後継と認められた三郎義央は、高家見習いとして江戸城に登城する日々を送っていた。その頃、京では、今上天皇が重篤の危機にあり、弟宮の高貴宮を後継に立てようとしていた。だが、生まれたばかりの幼君を幕府が認めるはずもない。そこで朝廷を代表する五摂家は、高家の吉良へ内密の使者を送ることを決めるが―。朝廷からの使者と幕府の思惑に巻き込まれていく三郎の命運はいかに。好評シリーズ第2弾!
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。歯科医師。97年に第20回小説クラブ新人賞佳作に入選しデビュー。2010年『孤闘 立花宗茂』で第16回中山義秀文学賞受賞。2014年「奥右筆秘帳」シリーズで第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
80
金にまみれた吉良を、著者は、どう切るか…。シリーズ2作目。字の大きさは…小。赤穂四十七士に討たれた、高家旗本の名門・吉良家の御曹司三郎の若き日の活躍の物語です。三郎は、元服を済ませて、高家見習いとして出仕をしています。そのころ京では、今上天皇が明日をも知れない体となっていました。帝は跡継ぎに、生まれて4ヶ月の弟宮の高貴宮織仁を望まれるが、幕府が当歳の弟宮を天皇の位を継ぐ御子として認めるか。そこで近衛家の嗣子・近衛基煕7才が、秘かに江戸へ下向して昨年の除目で京に来た吉良に幕府老中の意向を聞く事となる。続く→2021/06/11
とし
73
高家表裏譚「密使」2巻 。まだまだ三郎義央が表立っては目立たず、父吉良義冬が仕切っていますね、次巻、朝廷幕府それぞれの思惑展開が楽しみです。2020/12/15
RASCAL
22
公家も武士も世襲制で前例主義、世の中が大きく変わっても、それに合わせて価値観は変わったりはしない。必然的に政治システムは肥大化し、適材適所が働かず、とても非効率になる。非効率な枠組みの中での、真剣そのものの小競り合いはメタ視点が持てる我々の目には滑稽に映るが、渦中の彼らは平和のためにそうせざるを得ないってことか。それが見えている吉良義冬はやはりすごい。この流れがどう赤穂浪士の討ち入りにつながっていくのか、楽しみ。2021/05/12
蕭白
11
思っていたのとは違った方向に展開していきましたが、面白かったです。2021/05/19
kazukitti
5
まぁちょっとこう、主人公が若いっつーか、まだ幼い感じなので、公家と武家の友達ものというか、幼い日の約束的なジャンプっぽい感じはちょっと新鮮だった。だったんだけど、まぁ高家ってアレでしょ、クソマナーぼったくり陰険講師なんでしょ?w感ある上に、やっぱ青さや理想はあっても結局、あの吉良になるワケで~とか考えたら、いつまでシリーズが続くか分からないけど、まぁ数年程度の物語スパンでの、この時期のヤングキラで何描きたいの?ってのがあるんだよね。オチのない話ってゆーか。2021/05/22
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