出版社内容情報
世界は日本と「あの戦争」をどう評価したのか? 膨大な史料から近現代日本100年の歩みを5つの戦争とともに読み解く
内容説明
日清戦争から太平洋戦争まで気鋭の戦史研究家が膨大な資料から明らかにする、自慢でも自虐でもない日本の歴史。世界は日本と「あの戦争」をどう評価したのか。
目次
第1章 日清・日露戦争―存在感を示したかった国際社会の「新参者」
第2章 第一次世界大戦―目指せ!アジアの「一等国」
第3章 韓国と台湾―植民地の実情と彼らから見た「大日本帝国」
第4章 満洲事変―「国際的ルール」を捨てることを選んだ日本
第5章 天皇機関説事件と二・二六事件―変質する日本人の思想
第6章 日中戦争と南京事件―交渉による解決の道を見失った日本
第7章 真珠湾攻撃―勝てない戦争を日本はなぜ始めたのか
第8章 「大東亜共栄圏」の実相―日本はアジアで何をしたのか
第9章 東京裁判と日本国憲法―戦争の終わりと戦後の始まり
第10章 戦後の歩みと沖縄問題―日本はどこへ向かうのか
著者等紹介
山崎雅弘[ヤマザキマサヒロ]
1967年大阪生まれ。戦史・紛争史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
13
「中国の歴史はプロパガンダであり、韓国の歴史はファンタジーである。そして日本の歴史こそがヒストリアイだ」と言ったのは欧州の著名な歴史家だったかな。本書はプロパガンダ(本書でいう主観的な歴史)やファンタジー(同じく主観的な歴史)だけでなく客観的な歴史(そんなものがあるとは思えんが…)も織り込んで歴史を鳥瞰しようと息巻いている。その成否は…どうなったかといえば…なんとありきたりの歴史解説書に落ち着いている。こういった企画は自虐史観に終始するのが専らだが、本書は9時の方向ぐらいにしか偏ってはいない。珍事である。2017/01/27
樋口佳之
10
日本は戦争でイギリスやオランダの国力を低下させたのだから、植民地の解放に貢献したのでは、という考え方も成り立つように思えます。けれども、その論理が正しいなら、アジアとアフリカの植民地解放に最も貢献したのは、ナチスドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーだということになってしまいます/今村均中将は、他の地域の司令官よりも現地住民の心情に配慮する姿勢を見せ、オランダ統治時代の差別的な慣例を廃止して、原住民のインドネシア人を市長や県長に2016/08/18
黒頭巾ちゃん
9
素晴らしい!▼日清、日露戦争は国際秩序に則ったやり方で勝った。それにより、領地拡大したが、欧米にとっては脅威になった▼国体思想(日本人が一番)により、皇道派や大東亜共栄圏思想や精神論が蔓った▼天皇機関説から主権設定となり大義名分に使われた▼中国の内乱に乗じて領地を拡大、大東亜共栄圏は資源の確保のためだった▼秩序が作れないので、強奪強姦が起きた▼A級戦犯は罪の重さではなく質。A級→平和を穢した、B級→戦争始めた、C級→人道に反した▼日本国憲法の下地は日本人が作ったので、押し付けられた物ではない2022/01/29
Mana
7
◯日清戦争、日露戦争→だいたいは知ってた ◯第一次世界大戦→とても参考になった。戦争は玉突きのようにヨーロッパ各地に転がっていったこと、日本の参戦理由がよく分かってなかったけど権益確保のため半ば無理矢理参加したこと、戦争後イギリスやアメリカの権益を侵す立場になって警戒され始めたこと ◯日中戦争→甘い見通しで始めた戦争が泥沼になったのは、第一次世界大戦のオーストリアや芳華の中越戦争と同じ。◯太平洋戦争→開戦を避ける余地があったかなかったかは意見の分かれる争点 東南アジアでの政策について詳しい解説が良かった2019/07/23
Noribo
4
戦前の歴史について何冊も読んだが、なぜ日本は太平洋戦争に突入したのか、あらためて考えたくてこの本を手にした。満州事変以降急激に好戦的な雰囲気が日本中を覆ったとされているが、この本では日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争の5つの戦争が大きな歴史の流れの中でどのように位置づけられ、後の世にどのような影響を与えたのかをさまざまな視点から読み解き、戦争を軸とする日本の近現代史を見直している。これにより日本が次の戦争の当事国となる可能性を多少なりとも減らしたい、これがこの本の目的だ。2022/02/09