四国辺土―幻の草遍路と路地巡礼

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四国辺土―幻の草遍路と路地巡礼

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  • サイズ 46判/ページ数 323p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041090749
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

辺土(へんど)とは、遍路で生活する者である。
時に放浪者として迫害される彼らに密着取材!
誰も書けなかった「日本最後の聖と賤」たるもう一つの遍路を、5年をかけて描いた唯一無二のルポ!

【辺土(へんど)とは】
草遍路、乞食遍路、プロ遍路、職業遍路、生涯遍路とも呼ばれる。
長い歴史の中、「へんど」はやがて乞食を意味するようになるが、昭和三〇年代までは遍路といえば「へんど」だった。
一方で、八八ヵ所を経文を唱えて回る遍路は、ときに畏敬と畏怖の目で見られた。彼らは聖と賎を同時にそなえる存在だったのだ。

現代の草遍路を探し、共に托鉢修行も著者は行うだけでなく、福田村事件(関東大震災で起きた日本人による日本人虐殺)をはじめ、
路地の歴史もたどりながら5年をかけて遍路を続けた。
最後の聖域の本質を大宅賞作家が抉り出す、類書なき紀行ルポ!

「帰るところもなくなった生活を賭けて、托鉢と接待、野宿だけで何年も何周も巡礼することによって、その人は確実に浄化され昇華されていく。本質的な何かを取り戻すか、もしくは欠けていた何かを得ることができるようになる。
 四国遍路で人は変わることも、再生することもできるのだ。私はこの目で、確かにその一例を目撃した」(本文より)



【目次】
第一章 辺土紀行 徳島――高知
第二章 幸月事件
第三章 辺土紀行 高知――愛媛
第四章 托鉢修行
第五章 辺土紀行 松山――香川
第六章 草遍路たち
おわりに
参考文献一覧

内容説明

辺土とは―草遍路、乞食遍路、プロ遍路、職業遍路、生涯遍路とも呼ばれる。長い歴史の中、「へんど」はやがて乞食を意味するようになるが、昭和三〇年代までは遍路といえば「へんど」だった。一方で、八八ヵ所を経文唱えて回る遍路は、ときに畏敬と畏怖の目で見られた。彼らは聖と賎を同時にそなえる存在だったのだ。現代の草遍路を探し、共に托鉢修行も行うだけでなく、路地(同和地区)の歴史もたどりながら五年をかけて遍路を続けた。「最後の聖域」の本質を大宅賞作家が抉り出す、唯一無二の紀行ルポ!!

目次

第1章 辺土紀行―徳島‐高知
第2章 幸月事件
第3章 辺土紀行 高知‐愛媛
第4章 托鉢修行
第5章 辺土紀行 松山‐香川
第6章 草遍路たち

著者等紹介

上原善広[ウエハラヨシヒロ]
1973年、大阪府生まれ。大阪体育大学卒業後、ノンフィクション作家となる。2010年、『日本の路地を旅する』(文藝春秋、のち文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。12年、「孤独なポピュリストの原点」(特集「最も危険な政治家」橋下徹研究、「新潮45」2011年11月号)で、第18回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞。17年、『一投に賭ける溝口和洋、最後の無頼派アスリート』(KADOKAWA、のち角川文庫)で2016年度第27回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ゆいまある

103
被差別部落を研究する筆者が、草遍路を追い求めたルポ。よくぞ書いてくれた。四国に住む人なら全員興味深く読める。草遍路とは遍路のプロ。病気や犯罪や何か抱えてる人が四国に辿り着き、遍路しながら生涯を終える。他の地域なら暴力を受けるところ、生き延びる余地があるのが四国である。ハンセン病患者が歩くカッタイ道のことは別の本でも読んだが、この本にも詳しい。野宿するお遍路さんなんていないと思っていたら、うちの近所らしき公園で野宿してる場面が出てきて己の無知を知った。四国の被差別部落の歴史も詳しい。ルーツが落ち武者とか。2023/05/31

kinkin

87
著者は自身の出自である同和問題をテーマにした本を書いている。この本は四国遍路道の脇に多く点在する同和地区(著者は路地と呼ぶ)沿いの遍路を始める。四国遍路といえば一時期大ブームが起きたことを覚えている。またそれにともなって様々なトラブルもあったようだ。著者も遍路の途中に逃亡中の殺人犯と出会い過去のことを語ったり対話するシーンも出てくる。どちらかというと人に重きをおいた遍路だと思う。個人的には素描のような遍路紀行を期待していたのだが・・・図書館本2023/11/10

つちのこ

51
いつかはチャレンジしたい歩き遍路。これまでお遍路の関連本を多く読んできたが、これは異色作である。四国の遍路道沿いにちらばる路地を巡りながら、部落差別の歴史と実態を拾い集めていくのは被差別部落出身の著者ならでは。一方で遍路を生業にしている草遍路と呼ばれるプロの人々に目を向け、自らも野宿と托鉢を経験しながらその厳しさを実感していくのは著者の強い意志があってのこと。歩き遍路は結願によって達成感や虚栄心を満たすことはできるが、本質的には何も変わらない。しかし、退路を断って人生をかけた草遍路にこそ、人は確実に⇒2022/01/26

tom

21
私の出自は四国の南予。小学校に入る前後、祖父母の家に行くと、お遍路さんがやってきて、お経をあげることがあった。私が何かをいうと、祖母が「そんなことを言ってはならない」とか言いながら、5円玉を渡し(そのころの5円は、それなりの値打ちがあったはず)、手を合わせていた。そんな記憶がよみがえった。四国では、どこででもお遍路さんが歩いていた。普通の風景だった。20歳のころ、四国南岸徒歩旅行をしたけれど、みなさん親切だった。四国という土地、独特のものがあるのかもしれない。そして、遍路と解脱がつながるのかと驚いた。2023/06/19

Sakie

19
遍路道と被差別部落の分布が重なる点に着目した著者は四国を歩き始めた。遍路は重たいものを抱えた者、行き場のない者、逃げる者を受け止める。『遍路に出る人はみな何かあるから遍路をする』。そして遍路は、巡り続けることができるのだ。著者は遍路だけで暮らす草遍路に惹かれ、追い始める。それぞれの事情で、歩き続けることによって生きる人生を選ぶ人たち。やっぱり遍路には形式でない、深いなにかがある。山頭火や西行に比べ、現世生身の人間はどうしたって生臭さ金臭さが先に立つが、巡り続けるうちに至る境地は彼らに近づくのだと思った。2023/07/19

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