出版社内容情報
雪深い町に、遠い国から男の花嫁がきた。
たった一人で嫁いで来たサガルは、妻に先立たれ幼い息子を持つローランの妻になった。
貿易商の仕事で一年で冬の間しか町にいない彼の代わりに息子の子育てを担う一方で、寡黙だが優しいローランと穏やかで温かい夫婦の絆を紡いでいくサガル。
しかし彼には、夫には秘密にしている別の姿があった。
平和な幸せを壊したくないサガルだが、その素性を追う者たちが次々と町に現れ――。
内容説明
雪深い町に、遠い国から男の花嫁がきた。たった一人で嫁いで来たサガルは、妻に先立たれ幼い息子を持つローランの妻になった。貿易商の仕事で一年で冬の間しか町にいない彼の代わりに息子の子育てを担う一方で、寡黙だが優しいローランと穏やかで温かい夫婦の絆を紡いでいくサガル。しかし彼には、夫には秘密にしている別の姿があった。平和な幸せを壊したくないサガルだが、その素性を追う者たちが次々と町に現れ―。小さな花嫁に隠された、想像もつかない過去。WEB発ファンタジーBLの傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
36
私は一体何を読んでいるんだろう。BL?いやいや異郷婚姻譚て言うらしい。遠くの国からやってきた子供のような男の子がローラン様と呼ばれる男性の嫁に。ローランには1才の息子がいる、その子守として雇われたような妻だった。その妻サガルは働き者で息子にもローランにも文句のつけようもないのだが夫も妻も何かが隠されている・・。心を持たない兵士をサガルという。でもこの妻サガルは・・。KUです。読んでみて味わってください。このサガルとローランとハリファの物語を。表紙の絵のように平穏な結末でホッとしました2025/06/03
のこ
28
深いお話に感動です。読友様お薦めweb発初読作家様。中世ヨーロッパ風にSF &ミステリ風味を交えた不思議な世界観のFTながら決して単なるエンタメに走らず、絶対的身分差や、一方当事者にとっての正義が反対当事者にとっての悪であるという世の不条理を根本に、細やかな幸せを求める主人公カップルの愛を描いた残酷で切なく優しいお話。受攻其々の抱える重過ぎる秘密が徐々に明かされる展開にグイグイ引っ張られ、脇役までも人物造形が立っていて、受視点、攻視点、脇視点と移り替わりながらも混乱を招く事のない作家様の技量はお見事です。2020/05/11
しましまこ
26
雪深い田舎町にたった一人で嫁いできた小さなサガル。出稼ぎで冬の間しかいない夫の変わりに幼い子供を育てあげ…幼い子供のために意に染まぬ男嫁をもらってしまったローランが、サガルの健気さに溺愛!かと思えば思いもよらない方向に物語は進んで。優しいおとぎ話なんてとわでもない。面白かった。2019/12/14
ハル
14
ローラン×サガル とても切なくて胸が痛むお話でした。サガルのローランとハリファをこんなに愛してるのに心がないなんて事はないと思う。これから長い年月生きるだろうサガルがローランをなくしたらどうなってしまうか考えると涙が出ます。私の勝手な願いですが、死ぬ時は一緒にいってほしいなぁ。思い出だけでは生きていけないしさみしいもの…それまで家族3人幸せに暮らして欲しい。2020/03/18