角川ホラー文庫<br> こわい本〈9〉影

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角川ホラー文庫
こわい本〈9〉影

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041089989
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

出版社内容情報

主人公の絵美にお屋敷は、幼いころから鏡の前で美しい自分の姿を見るのが大好きだった。だが恵美はいつも誰かからの憎しみの視線を感じながら暮らしており、ついにそれが鏡の自分であることに気が付く。さらに鏡の中の自分は鏡から抜け出し、絵美になり替わり恋人の貢君の元へ。どうやったら元に戻せるのか、恵美の悩みは続き……(「鏡」)
主人公の美少女・松本あぐりは、音読中に眠りこけてしまう。夢の中では「自分がお人形になっていて、お母さんが自分にとても会いたがっている」という。小さいころに亡くなったと聞かされているお母さんだが、学校の先生たちはあぐりのねむり病の真相を探ることに――(「ねむり少女」)
あや子と雪子は大の仲良しだったが、お面マニアのお爺さんに「朝霧面」と「夕霧面」をもらう。その夜、二人がそれぞれ戯れにお面を被ると――(「のろいの面」)。
他「青い大きい鹿の死」を収録。

内容説明

絵美は幼いころから鏡の前で美しい自分の姿を見るのが大好きだった。ある時、鏡の中の自分が鏡からぬけ出し…(「鏡」)。あぐりは学校で音読中や運動中に突然ねむりこける“ねむり病”になってしまう。夢の中では自分が人形になっており、お母さんが寂しそうに自分を見つめていて…(「ねむり少女」)。ほか「のろいの面」「青い大きい鹿の死」を収録。人間関係における負の感情を掬いとり、悲しみと慈しみを描いたゴシック短篇集。

著者等紹介

楳図かずお[ウメズカズオ]
1936年、和歌山県高野町に生まれ、奈良県五條市で育つ。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時、『別世界』『森の兄妹』をトモブック社から単行本で出版し、デビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる。『漂流教室』ほかで小学館漫画賞受賞。一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮。作中のギャグ、“グワシ”は社会現象となった。このほか、数多くのヒット作を生み出す。その他、タレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、様々なジャンルで活躍中。2018年、『わたしは真悟』で仏・アングレーム国際漫画祭「遺産賞」受賞。また同年度、文化庁長官表彰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

77
今巻のテーマは、影。少女ホラーマンガが4編収められている。「鏡」は、自分の影が、鏡の中から出てくる恐怖。可憐な少女が恐怖におののく。表紙の絵からして怖い。途中コミカルな要素もプラスされているが、そのことでより恐怖が引き立っているようだ。帯に書いてあったが、「楳図かずお大美術展」がいよいよ1月28日から開催されるようだ。とても見たいけど、今の感染状況では行くのも怖いし、楳図さんの怖い絵にも触れたいし、どうしよう。もう少し様子をみようかな。2022/01/27

鱒子

63
少女ホラー4作収録。わたしの大好きな作品「ねむり少女」あぁなんて可愛いんだ!巻末寄稿は岡崎京子さん。彼女がお元気だったころの原稿なので、なんとも切なくてたまらなくなります。2022/03/05

Vakira

45
【楳図かずお追悼読書】第6弾 「こわい本」の9巻目。今回のテーマは「顔」って事で、人間の個性を最大に表現する躰の部分。異性の外見の好みを問うた時、スタイルか?顔か?て、意見の分かれるところですが、人間は社会性の強い動物なのでコミュニケーションを伝える大事な機能で判断すれば「顔」の勝利となるのでしょう。まずは顔で惹かれるのが人間だ。だから個人としての自己の証明は顔。さて「鏡」。その自分の顔、自分で綺麗と思う自分が好きな自分の顔。まったく自分そっくりな綺麗な顔を持つ少女に自分の生活を乗っ取られる話。2024/12/19

ぐうぐう

32
自分が一番怖い。その真理がよくわかる『こわい本』第9巻。「鏡」は何度読んでも傑作だ。もう一人の自分を表現するのに、鏡に映った自分を用いるのは決して斬新なわけではなく、凡庸なパターンであるはずなのに、一歩も二歩も踏み込んだ楳図かずおの主題への探求が、まったく新しい恐怖を生み出している。鏡の中の自分が本人を名乗る、いわば影が本物を乗っ取る展開だが、楳図は影が生まれた理由(それは本人側の心理の問題)と共に影の苦悩までをも描こうとする。そこが楳図かずおの凄さだ。(つづく)2022/07/05

あたびー

29
今回は'60年代に少女漫画として描かれた作品4本です。「鏡」は自分の容姿を頼み鏡に写して見ることを楽しみにしていた少女絵美が、鏡から抜け出てきた自分の影に蹂躙される物語。「ねむり少女」は母という言葉に反応して眠ってしまい、夢の中で人形となって死んだと聞かされている母と対面するというお話。「のろいの面」は美しいお面に乗り移られる二人の少女のお話。「青い大きい鹿の死」はバスガイドさんの悲劇が引き起こす不思議。「ねむり…」と「青い…」の女の子は中原淳一の絵を思わせる可愛らしさで、すごく好き。2022/01/29

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