スワン

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041086391
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

首都圏の巨大ショッピングモール「スワン」で起きたテロ事件。死者二十一名、重軽傷者十七名を出した前代未聞の悲劇の渦中で、犯人と接しながら、高校生のいずみは事件を生き延びた。しかし、取り戻したはずの平穏な日々は、同じく事件に遭遇し、大けがをして入院中の同級生・小梢の告発によって乱される。次に誰を殺すか、いずみが犯人に指名させられたこと。そしてそのことでいずみが生きながらえたという事実が、週刊誌に暴露されたのだ。被害者から一転、非難の的となったいずみ。そんななか、彼女のもとに一通の招待状が届く。集まったのは、事件に巻き込まれ、生き残った五人の関係者。目的は事件の中の一つの「死」の真相を明らかにすること。彼らが抱える秘密とは? そして隠された真実とは。圧倒的な感動。10年代ミステリ最後の衝撃!

内容説明

巨大ショッピングモール「スワン」で起きた無差別銃撃事件。死者21名を出した悲劇の渦中で、高校生のいずみは犯人と接しながら生き延びた。しかし、同じく事件に遭遇した同級生・小梢により、次に誰を殺すか、いずみの指名によって犯行が行われたという事実が週刊誌で暴露される。被害者から一転、非難の的となったいずみ。そんななか、彼女のもとに招待状が届く。集められたのは事件に巻き込まれ、生き残った5人の関係者。目的は事件の中のひとつの「死」の真相をあきらかにすること。その日、本当に起こったこととはなんだったのか?

著者等紹介

呉勝浩[ゴカツヒロ]
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年には『白い衝動』で第20回大藪春彦賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

532
事件の叙述よりも、その後に重点が置かれた変則的なミステリー。起こったことは一つであったはずなのだが、事件が残した影は各人各様に違っている。弁護士、徳下の求めに応じて語られ、しだいに明らかになってゆく事件の真相と、隠されていた裏面。それは事実関係においてもそうであるし、さらにはそれをいかに受容するかといった心理的側面に大きく影を落とす。物語を推進させていくのは、いずみと小梢との確執、というよりはいずみの自意識の動きである。私たち読者は、それに寄り添いながら、ついに事件の全容を知ることになる。2024/05/25

パトラッシュ

365
事件の発生から解決までを描くのがミステリなら、事件終結後も生きねばならない人間の苦しみがテーマの本書はアフターミステリというべきか。大量殺傷事件を生き延びた5人が集められて事件に絡んだ謎の解明に協力する設定から独創的だが、死に直面する経験を追体験させられることで隠していた嘘や過去が暴かれていくプロセスは息苦しいほどだ。事実と真実の落差を残酷なまでに明らかにするラストまでエンタメとしてはベストだが、後半やや駆け足なのが惜しい。特にある人物の正体がわかるシーンは、ヒロインの恐怖をじっくり書き込んでほしかった。2020/06/22

ウッディ

334
巨大ショッピングモール「スワン」で発生した無差別銃撃事件、多くの死傷者が出た事件で、生き残った人の中にも、あの時自分が取った行動を後悔する者がいた。一人の老女の死の真相を明らかにするため、集められた5人の生存者たちの証言から、わかってくる真実によって、遺族そして被害者自身の新たな苦しみが始まる。加害者ではなく、被害者の立場から見える事件という新たな切り口は面白かった。生死を分ける決断が迫られる中で、人は責任ある行動を取れるのか、身勝手なネットの中傷も含めて、考えさせられる一冊でした。2021/08/16

bunmei

308
ショッピングモール・スワンで起きた無差別殺傷事件を題材にして、緻密に練り上げられた構成のサスペンス。傲慢で無機質な人間関係やその事件の被害者である人々の苦悩など、ミステリーとしての謎解きと人間模様の面白さが味わえる一冊。事件の被害者のいずみが、一転、犯人共助の汚名を着せられ非難の的に。そして、事件で亡くなった吉村菊乃を巡っての謎の会合。本当に悪いのは犯人のはずが、自己中心的な正義によって、被害者が犯人以上に祀り上げられていく現代社会の闇。特にネット社会の現代は、人を貶める事に繋がる怖さも感じました。 2020/05/01

散文の詞

252
テロ事件が起きるのですが、その時に、もう一つ別の事件が起きたみたいで、生き残った五人の関係者によってその事実が明らかになっていきます。 と、最初は、明らかになっていく過程が面白いのですが、それが、だんだん回りくどい感じに感じます。 途中で、映像を見るシーンが有りますが、もっと前に見れば、もっと早く真相を明らかにできたのでは? 心理的に難しいか。で、最後に衝撃の事実が。 まあ、仕方ないかもしれないけど、これからどうするのか。そっちほうが気になりますね。 2021/11/29

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