内容説明
過激派思想の伝道師への接触、謎の兵器供与ルートの追跡、CIAの元秘密工作員の苦悩―。思惑が交錯する混沌の地を訪ねた緊迫のノンフィクション。
目次
第1章 衝撃の駐在初日―後藤さん、湯川さん事件
第2章 拡大するテロリズム―過激思想伝道師との接触
第3章 追われる人々―レスボス島、難民上陸の瞬間
第4章 大国の欺瞞―兵器のバルカンルート
第5章 大量破壊兵器はなかった(上)―一人の嘘になぜ世界は乗ったのか
第6章 大量破壊兵器はなかった(下)―アメリカ史上最悪の決定
第7章 ゴーストタウンの要塞で―政府軍に転身した元兵士の熱狂
著者等紹介
村瀬健介[ムラセケンスケ]
1976年、シンガポール生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。2001年TBS入社。記者として、警視庁、司法、宮内庁などを取材。その間「NEWS23」、「報道特集」の番組も担当。15年からアフリカと中東を担当する中東支局長に。「“大義なき”イラク戦争から15年」や「シリア内戦~兵器供与の闇」などを制作。「報道特集」で放送され、大きな反響を呼んだ。2019年3月、帰国。同年6月より「NEWS23」の取材・フィールドキャスターを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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buuupuuu
4
TBS報道記者の取材記。ゴムボートで押し寄せる難民たち。米軍に委託され、シリア反政府勢力に武器を供与する民間軍事会社。そこで働き事故にあったドハティ氏は、現役軍人ではないので十分な補償が受けられない。イラクに大量破壊兵器があると法螺を吹いた亡命者「カーブボール」。それを根拠に対イラク戦争に踏み切ったアメリカ。生物兵器の工場だとされた場所はただの種子精製工場だった。戦争で故郷を追われ親族を喪ったアルドゥレイミ博士は「なぜ、我々イラク人がアメリカの嘘の代償を払わなければいけないのですか」と叫ぶように訴える。2021/08/30
越部社長
2
中東という、日本人にとっては「遠い話」を、特派員として取材し続けてきた著者が、取材を通じて見えてきたテロリズムの背景にある様々な不正義や理不尽について、自分の言葉で分かりやすく語っている。紋切り型の形容や単純な善悪二元論を廃し、取材現場で感じた様々な戸惑いや恐怖などについても、出来る限り率直に語ろうとする著者のジャーナリストとしての姿勢は好感が持て、今まで読んだ本の中で、最も中東について自分事に引き寄せて考えるきっかけを与えてくれてた。2021/08/29
Jun Masuno
2
TBS中東支局長だった著者が行った取材をはじめとした、なぜイスラム国が出来、無くなったのか、その前後の情勢も書かれた作品 我々があまり知らなかったことも含め、描かれている また戦争がビジネスとなり、敵、味方が結果地続きとなって、個人が犠牲なる、なんとも切ない現状もあり 考える作品でした2020/06/27
takao
1
ふむ2020/11/18