角川文庫<br> いのちの初夜 (改版)

角川文庫
いのちの初夜 (改版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041083017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だんぼ

399
いったい俺は死にたいのだろうか 生きたいのだろうか 俺に死ぬ気が本当にあるのだろうか ないのだろうか と自らをただしてみるのだったが 結局どっちとも判断のつかないまま ぐんぐん歩みを早めていることだけが明瞭に判るのだった2024/05/18

あも

109
【みんさん課題本】この本の感想を衝撃、という言葉で表して良いのだろうか。怖い、と言ってもいいのだろうか。逃げたい、目を逸らしたいと何度も思ってしまった。課題でなければ読み切れなかったと思う。ハンセン氏病が不治の病だった戦後。正にその病に罹患し、隔離施設に入所し、この小説を著し、そして23歳で亡くなった北條民雄。実体験に基づく施設での重症患者の描写が凄絶。顔が歪み崩れ、全身の神経痛に呻き、足を失い、眼球を失い…。その中で妊娠中に発症した患者の出産を喜ぶ周囲を描いた「吹雪の産声」に哀しい程胸を締め付けられた。2018/03/08

扉のこちら側

107
2016年756冊め。ハンセン病患者であり療養所で夭折した著者の代表作(表題作)と他7編の短編が収録されている。どの話も病気そのものの苦しみと社会から抹殺される悲しみに溢れている。私がハンセン病というものに初めに触れたのは小学校低学年頃だった。両親が独特の教育をするタイプだったおかげで、どういう伝手だったのかハンセン病療養所を訪ねたことがあったのだ。悪名高き「らい予防法」の廃止(平成8年)前のことである。昭和22年には薬により完治する病になっていたのに、無知と偏見による隔離政策の罪はあまりにも重い。(続)2016/09/22

榊原 香織

82
確かに地獄ではある、が、そこには生活もある。 ハンセン病はそれですぐ死ぬ、という病ではなく、(戦前は、)隔離されてから体が崩れながらも生活が続いていく。 作者は自身発病、入院しながら創作。川端康成や小林秀雄に激賞されたが、昭和12年24歳で死す。 2021/08/08

夜長月🌙新潮部

70
この作品に夢中になって一気に読めたという人がいたらちょっと引くかも。ハンセン病のつらいつらい描写が多く、何度もしばし中断しました。何のために生きるのか。くり返し、自殺を試みる場面が出てきます。狂ってしまってもおかしくないような状況で俳句をたしなむ人もいます。ハンセン病に罹患したという事実に一度精神的に死ぬ。その後に新たな別の生を生きるという凄まじき世界。2023/09/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/551822
  • ご注意事項

最近チェックした商品