出版社内容情報
少年時代から、鏡やレンズ、ガラスに異常な嗜好を持ち、それが高じてついには自宅の庭にガラス工場まで作ってしまった男がたどる運命は……(「鏡地獄」)。表題作のほか、 「人間椅子」「人でなしの恋」「芋虫」「白昼夢」「踊る一寸法師」「パノラマ島奇談」「陰獣」という、乱歩の怪奇・幻想ものの傑作・代表作を選りすぐって収録。編/解説・日下三蔵
内容説明
少年時代からレンズや鏡に異常な嗜好を持ち、ついには自宅の庭にガラス工場まで作ってしまった男。ある日、その男の実験室に、内部から笑い声のような唸りが響く不思議な玉が出現する…(「鏡地獄」)。表題作のほか、未亡人が語る怪異譚「人でなしの恋」。夫婦の歪んだ愛の形を描いた「芋虫」。「人間椅子」「踊る一寸法師」「パノラマ島奇談」「陰獣」など、乱歩の怪奇・幻想小説の傑作8編を選りすぐって収録。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、探偵小説を次々発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。代表的なシリーズに、「怪人二十面相」「少年探偵団」などがある。日本の小説界に多大なる業績を残す。65年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
31
新潮、岩波、創元推理文庫…と乱歩の短編集は数多く出ているが、今回は角川版。タイトルでは短編集とわかりにくいし、この表紙絵の軽薄さは何だろう。どす黒いほどのエログロ、倒錯の愛を含んだ怪奇幻想の世界が1ページでも読めば押し寄せてくるのに、、、このアッケラ感としたアニメ柄。まぁ、余談はいいとして十数年ぶりの乱歩を堪能した。「人間椅子」「鏡地獄」「人でなしの恋」「芋虫」「白昼夢」「踊る一寸法師」「パノラマ島奇談」「陰獣」。「屋根裏の散歩者」が抜けてるのが残念。2020/05/22
優希
30
キーワードは「狂気」や「愛欲」といった短編集だと思います。どの作品もエログロナンセンスの極みの味わいがありますが、『人間椅子』『鏡地獄』『陰獣』は特にその色が濃いように感じました。乱歩の怪奇的な世界が好きなので他の作品も面白かったです。2025/03/22
Yuri
20
登録忘れ。8編全て既読作ですが、表紙絵コラボなので、押さえておきたくて。『鏡地獄』『パノラマ島綺譚』『芋虫』どれも大好きな作品。再読はあまりしない派ですが、何度読んでも良いものは良い✨2022/11/06
孤島天音
12
破滅と隣り合わせの狂気的な嗜好。アンビバレンスな感情。五感を揺さぶる、鮮烈な極彩色の悪夢。どうやったらこんな悪夢みたいな物語を紡げるんだろう。「芋虫」の悲哀は忘れ難い。「パノラマ島奇談」の執拗な海底トンネルの描写が好き。2023/08/15
Terry Knoll
3
「人間椅子」「陰獣」等8つの短編集。 「陰獣」は、乱歩の小説を踏まえたネタあり。 ぐいぐい引き込まれました 2025/01/30