内容説明
どこにも居場所がなかった少年時代、落語だけが心の拠りどころだった。単身上京し、芸の世界に飛び込んだおれを待ち受けていたのは、理不尽だらけの前座修行。兄弟子に反発し、ライバルと鎬を削り、かなわぬ恋に身を焦がし、才能の壁にぶち当たり…やがて師匠の元を飛び出したおれは、名を捨て、世を捨て、世界のどん詰まりまで流れ流れて、自分の生きる道をつかみ直す―。桂歌丸師匠の異端の弟子が、さすらいの噺家の“業”を描いた型破りな青春小説!
著者等紹介
桂歌蔵[カツラウタゾウ]
1964年大阪府生まれ。92年桂歌丸に入門、2005年真打昇進。国内の寄席や地方公演以外にも、英語落語で精力的に世界中を飛び回っているほか、二ツ目時代から数々の新聞雑誌にエッセイ等を寄稿し、17年には地方文学賞も受賞。篤意噺は滑稽噺や人情噺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nazolove
19
また違った、落語家の生きざまをみられた。 要所でこれ師匠ディスり?と思ってしまった。(名誉司会をディスるのもいかがなものかなんて思うが) 別作品で前座なにやってんのというのが良く分からなかったところもあったが、読めば読むほど、落語家になろうなんて思わなくてよかったーと思ってしまった(笑)(現役の皆さんすみません) でもこれだけの人生歩んでるなら、それすらも笑い話に出来るっていうことが落語家の強みなのかななんて思った。 勉強になることが書いてあったので思わずメモってしまった。(笑)2019/04/26
凸凹パレード
8
落語界を覗く小説。でも志ん生知っちゃってると…2019/06/17
みっふぃー
7
桂歌丸師匠の弟子が書いた小説。落語家さんのエッセーみたいなのは読んだことあるけど、小説は初めてで、でもついつい師匠のところは、歌丸師匠が思い浮かんでしまった。最後はいろんなことがおこっておもしろかった。2019/05/14
浅西マサ
3
著者の寄席に行った事がありまして、その時少し話をさせてもらったのですが、とにかく尖っているなて印象の方で(流石元パンクス)ただ、それと同時に毎日遠征を労る声に「ゆっくりちゃんと文を書きたい」と言ってて、その言葉がずっと残って、今作を読みました。登場する咄家さん達がとにかくキャラがたっていて、その中では主人公のキャラが弱いなと思ったところでの最後のどんでん返し?でフィクションの面白さを堪能しました。全て府に落ちた伏線の回収が見事でした。そして人情で〆ずに、まるでフェリーニの映画のようなラストが爽快でした。2019/06/24
OMO
0
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2020/09/19
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