出版社内容情報
祖父の形見のカメラは異能の力を持っていた。過去の不思議な風景を映し出したり、華舞鬼町という境界へ行くことができた。しかしそれを壊してからは、異界の住民の力を借りないと移動出来なくなっていた。しかし、姉の一言で自分を信じ道祖神を祀る庚申塚で、華舞鬼町へ行くことができた那由多は、自分に少しだけ自信が持てた気がした。狭間堂のギャラリーでは那由多の写真が話題になっていた。そこには、かつて遭遇した旧玉電の化身である老紳士の玉さんがいた。彼は那由多に失われた路線の写真を新しいカメラで撮ってきてほしいと、那由多に依頼する。それはの港湾地区にある臨港線という廃線だった。
内容説明
異能を持つ祖父の形見のカメラは、過去の風景を写し那由多を華舞鬼町へと連れていってくれた。カメラが壊れてからは移動できずにいたが、姉のアドバイスで道祖神を祀る庚申塚から境界を越えることができ、那由多は少しだけ自信を取り戻す。久しぶりに訪ねた、華舞鬼町にある狭間堂の写真館。そこで再会した玉電の化身・玉さんから、那由多は臨港線という廃線の写真を頼まれるのだが。ついにシリーズは、クライマックスへ!
著者等紹介
蒼月海里[アオツキカイリ]
宮城県仙台市で生まれ、千葉県で育ち、東京都内で書店員をしていた作家。日本大学理工学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雅
37
自ら華舞鬼町へと行く事が出来るようになり、新キャラの貧乏神クロ助との探索に出掛けたり、那由多の成長が感じられた。2019/10/31
ありす
36
次はいつ虚路が姿を現すかと戦々恐々とする那由多たち。そんな彼らの前に現れたのは貧乏神。那由多にクロ助と名付けられた彼は、小さな体で気が弱く、皆と仲良くすることを願う可愛らしい存在だった。徳を積んで福の神となるべく那由多と共にするクロ助。貧乏神と聞くと嫌な存在だが、クロ助は体質が貧乏神なだけで、心根はとても優しい神様。次の最終巻、福の神となれるのか?虚路は?円は?気になることがまだまだ沢山。【シリーズ6作目】2022/01/15
坂城 弥生
32
貧乏神は、人と居たいと望むモノだったら、こんなに不幸な事ってないな、と思った。2019/10/31
よっしー
20
那由多の成長ぶりが伺える一冊でした。自分に自信がないが故のマイナス思考がなくなり、前向きに考えられているのは、最初の頃を思うと本当に成長してますね。ポン助とクロ助、二人の面倒を見ていると、大人な思考にもなるのかな。自分のカメラで自分ならではの思い出写真を撮るようになり、新しい一歩。今後が楽しみです。余話の円と狭間堂のやり取りはどこか安心。二人の関係性も分かったので、余計にかな。2020/09/27
高宮朱雀
15
久し振りに華舞鬼町シリーズを読みました。クライマックスなんてあるから、これで最後か!?って焦りました。紛らわしいな、もう…。 新キャラがまさかの貧乏神という設定に驚きましたが、このクロ助ちゃん、中々の根性者(神?)だし、情も厚いし、心強い存在です。今後、どんな風に成長して行くのか楽しみ。 那由多君も物語の最初の頃に比べると、常に試行錯誤しながら自身の方向性を定められるようになって来て、一作毎に成長を感じます。本当に親目線で見て、安堵してしまいます。2019/08/28