出版社内容情報
累計12万部突破『握る男』、大人気シリーズ『ヤッさん』著者が描く食小説世界的な「食の格付け本」の元格付け人、牧村紗英。 独立し会社を興した彼女は、先輩で相棒の真山幸太郎と、 人気店の調査と格付けをする会社を立ち上げ……。雑誌掲載時から話題騒然のニューヒロイン!
原 宏一[ハラ コウイチ]
著・文・その他
内容説明
世界的な「食のガイドブック」の元「格付け人」、牧村紗英。会社を辞め、飲食店の格付け事務所を立ち上げた彼女は、日仏ハーフの娘を持つシングルマザーでもある。主な仕事内容は、人気店の覆面調査。元麻布の高級フレンチ、池袋の行列ができるラーメン店、白浜の料理旅館。けれど絶品料理が自慢のどの店にも「裏の顔」が…。絶対的な味覚と調査能力で、彼女がつける「星」の数は?食小説の手練れによる新ヒロイン登場!
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。2007年、ある書店員の熱心な応援で、01年に文庫化した『床下仙人』(祥伝社文庫)がベストセラーに。魅力的な食の描写にも定評があり、情報通で食通の宿無し男、ヤッさんの活躍を描いた「ヤッさん」シリーズ(双葉社)や、野望を抱き成り上がる鮨職人の一代記『握る男』(角川文庫)も話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
201
飲食店に星をつけると言えばミシュランですが、飲食店に星をつける事は確かですが、クライアントから依頼を受けて、星をつける話。テンポ良く飲食店に星をつけていく短編だと思ったら違いまして、店の内情を知ったら、ほっとけなくて深入りしていくんですな。そこまでするのかとツッコみつつも、ついつい感情移入してしまう。そこは、料理小説の第一人者の原宏一さんだけあって、面白く読めた。個人的には店の内情より料理の星付けをもっと全面にしてほしいのが本音だけど、とりあえず続編を出してほしいなと思う作品ではあるね。2020/04/19
相田うえお
113
★★★☆☆20001 星に関する物語です。え?彦星とか織姫星みたいな話?ちゃう!じゃ、きらきら星?ちゃう!それは童謡!ならジュピターだ!いかん!ロケットパンチおみまいしたろーか!空のじゃなくてTVドラマでやってた『グランメゾン東京』みたいなグルメに付ける星ね。でもね、ダンロップ?ブリジストン?失礼!ミシュランとは関係なくて、投資家から依頼された対象店に星を付け、投資判断材料として情報提供する仕事。3話構成の連短作品で、どれも問題発生→解決→良かった〜!みたいな水戸黄門系のすっきり感が最高〜!2020/01/03
あすなろ
112
なかなか面白い読友さんご推薦の作品。僕は原氏の作品はもっと評価を受けても良いと常々思っているのであるが、この作品もそうした作品。凛としたカッコいい女性である沙英が主人公。食を軸に投資家等の依頼を受けて評価星を付けることを生業とする。しかし、闇に分入っても行く。原氏の特徴の一つである飲食業の様々の記述も興味深い。ただ、ここまで関わった皆が沙英の元に転職してくるか否かはコミカルではあるが。テンポ良く進む連作短編集。続編も既に手に入れているので順に読んで行くこととしよう。なお、映像化に向く作品ではないか。2021/05/24
ふじさん
90
世界的な「食のガイドブック」の元「格付け人」の牧村紗英。現在は、飲食店の格付け事務所を立ち上げ、主な仕事は、人気店の覆面調査。「メゾン・ド・カミキ」の産地偽装問題に始まり、「麵屋勝秀」のブラック企業化問題、「紀州ノ庵」のお家騒動と次々に難題に出会うが、彼女の仕事の枠を超えた活躍で解決へと導く。食小説の得意とする作家による新しいヒロインの登場。話の展開が速く、彼女の個性も存分に味わえう一冊。 2021/09/23
菜穂子
70
ミシュランの覆面調査員かと思えば信用調査のための星付と。フレンチ、ラーメン店、老舗旅館。あの話かも…と思わせるようなストーリーの展開にすっかりハマってしまった。ただ、腕の確かな調理人を調査員に引き入れてしまうのは実に勿体ないような気がしてしまうのだ。2020/09/29