出版社内容情報
2つの密室×驚愕のトリック。 密室の伝道師による青春本格ミステリの旋律
内容説明
忍棚村に暮らす高校生の凌汰は、夏休みのバイトで幼馴染みたちと廃校の小学校を片付けていた。そこへ東京から2人の少女が訪ねてくる。ひとりは、6年前の一時期この小学校に通い、すぐに引っ越した「雨ちゃん」だった。凌汰の脳裏に、兄・コーちゃんと雨ちゃんと3人で遊んだ夏が甦る。コーちゃんの「事故」で思い出は悲しい記憶に変わったのだが―。再会に盛り上がる凌汰たちはそのまま廃校に宿泊し、修学旅行の夜のような時間を過ごす。しかし翌朝、幼馴染みの四條がプールに沈んでいて―。犯人の名が明かされるとき、世界は一変する。二度読み必至の青春本格ミステリ。
著者等紹介
村崎友[ムラサキユウ]
1973年京都府生まれ。成城大学文芸学部卒業。2004年に『風の歌、星の口笛』で、第24回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっこ
69
村崎さん初読み。廃校を舞台とした青春密室ミステリ。伏線が散りばめられていたことなど読み終えた後に気づくという緊張感のない読み方をしてしまったので、違和感もなく最後を迎えてしまった。反省。2022/08/25
オーウェン
62
田舎町で廃校になった小学校を宿泊できるよう改造したリョータたち親友一行。 転校していった雨ちゃんも加わり一夜の宿泊を計画したが、そこに台風がやってきて一同は閉じ込められる。 新本格の流れを意識しているのか、クローズドサークルから各人のアリバイを潰すやり方。 そしてリョータが体験した2つの密室の回答。 あだ名呼びが多いから何かあるとは思っていたし、違和感があったある人の行動。 ラストで真相が明かされるのだが、これは別に必要なかった気も。2022/08/05
koma-inu
48
予想も期待も裏切る、斬新な問題作。クローズドの廃校で起こる密室殺人や、青春ミステリ要素は、分かりやすくてgood!解決編で、世界観(作者?)が急変。あのシーン必要?それが動機なの?などなど。1番の衝撃は、密室とプールの殺人の無意味さ。これ、犯人の思惑通りになって無いよね・・。ラストの雨ちゃんのカミングアウトは、主人公、さすがに気づいて!そもそもこの設定、必要か?という驚きでした。とにかく終盤は全く予期せぬ事実が連発して締められる、賛否両論の作品と思います。2022/10/24
うまる
42
これはナイ。密室にした理由がないミステリなんてナシよりのナシです。それに終盤のエロシーンは必要なの? そこだけ浮いてて、物凄く気味が悪いんだけど。初読み作家さんだから知らないだけで、唐突に意味不明なエロシーンを入れるのが定番の作家さんなんだろうか。あと、最後の暗号が「だだよ」なってるけど、これは一体…。青春もの(とは全く思えないがそれが作家さんの意図)なら大事なシーンなのに。過去の事件の方は、密室も起こった事の理由も面白かったので、現代部分全カットの短編で良かったと思う。過去部分が良いだけに、非常に残念。2022/09/17
のりオバ
39
田舎の川で男子小学生が事故死した。 女子小学生が転校してきて仲良く遊んでいた直後だった。 それから6年後ー。 廃校になった小学校に泊まった元在校生がひとりまた一人と死んでいく。 ページをめくる手が汗ばむほど怖い。 最後に2重どんでん返しあり。 面白い密室ものでした。2022/10/09