内容説明
「愛と情熱とを皆さんはいつも区別して考えて下さい。愛とは意志であり忍耐であり努力です」。「恋愛に破れたら、時の流れを信頼しましょう」。純愛が陥りがちな危険な罠、男性が恋人に求めるもの、恋人に幻滅する瞬間、そして恋愛に必要な技術とは―。古今東西の文学を通じて語られる恋愛観は、時代を越えて読む者の胸を打つ。いま恋愛に振り回されている人も、終わった恋に苦しんでいる人も、繰り返し読みたい恋愛論の名著。
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年東京生まれ。慶應義塾大学仏文科卒業。リヨン大学に留学。55年『白い人』で第33回芥川賞を受賞。66年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞受賞他、数多くの文学賞を受賞。著書等多数。96年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobody
8
「どんな【甘い美しい】恋愛にも、【この不安この苦悩】は必ず伴うものなのです。」というように重畳・羅列をフル活用して(【】が重畳・羅列部分)分量を水増しし原稿料をせしめるという『沈黙』以来の、忠実に村上龍にも受け継がれている遠藤周作商法は健在である。ただの恋愛に関するとりとめのないエッセイ集であればいっそよかったのだが、評論形式をとってしまった。論を立てねばならない。で、恋愛とは愛という言葉が入っているのに愛ではなく、情熱だという。愛と情熱は違うという。文脈からして愛が本筋なのだが、では愛とは何かというと、2022/11/11
原玉幸子
1
前にも暇を持て余して読んだような気もしますが、遠藤先生の本書はいまいちでした。5月初めに渡辺淳一が亡くなったことで恋愛小説に関し云々言う論評がありましたが、総じて余り共感出来ませんでした。(●2014年・夏)2019/11/30
すわ
0
出版されてからかなり長い年月が経った本なので、価値観や言葉遣いに現代とのズレを少し感じますが、人が人を好きになる、愛することの根源を書き連ねてあるようでとても面白く思いながらスラスラ読めました。この中で紹介されている海外のお話をいつか全部読もうと思います。2024/02/01