出版社内容情報
澤村伊智[サワムライチ]
著・文・その他
内容説明
「などらきさんに首取られんぞ」祖父母の住む地域に伝わる“などらき”という化け物。刎ね落とされたその首は洞窟の底に封印され、胴体は首を求めて未だに彷徨っているという。しかし不可能な状況で、首は忽然と消えた。僕は高校の同級生の野崎とともに首消失の謎に挑むが…。野崎はじめての事件を描いた表題作に加え、真琴と野崎の出会いや琴子の学生時代などファン必見のエピソード満載、比嘉姉妹シリーズ初の短編集!
著者等紹介
澤村伊智[サワムライチ]
1979年生まれ、大阪府出身。幼少期より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂作品を敬愛する。2015年、『ぼぎわんが、来る』(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞“大賞”を受賞。巧妙な語り口と物語構成によって、選考委員から高評価を獲得した。新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
573
澤村 伊智は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。本書は、比嘉姉妹シリーズのホラー短編集でした。オススメは『ゴカイノカイ』&『などらきの首』の2作です。それにしても表紙のセンスのなさは、どうしたのでしょうか?KADOKAWAは、猛省するように。2018/12/03
ポルコ
346
もちろんホラーではあるものの、謎解きミステリー色の印象が強い。先が読みたくなって、一気読みだった。2018/12/13
しんたろー
341
スピンオフ短編が6つ…比嘉姉妹たちの過去の物語はファンには楽しく、もう会えないと思っていた美晴に再会できたのも嬉しかった。カットアウトで終わって、余韻を持たせる手法もニクイ!怖さとしては『ぼぎわん』や『ずうのめ』に及ばなかったが、怪奇と風刺を織り交ぜる作風は健在でワクワクした…哀しさ&怖さのバランスが良い『学校は死の匂い』、そのまま『世にも奇妙な物語』に映像化できる『居酒屋脳髄談義』、著者らしさが最も強く感じた『などらきの首』の3作は満足!色々と意見はあるだろうが、このまま比嘉シリーズを突っ走って欲しい♪2018/12/03
utinopoti27
246
本書はホラーテイストな短編集だが、澤村氏の過去作を読んでいないと、何だかまとまりがなく、もやっとした印象を受けるかもしれない。それもそのはず、これはいわゆる『比嘉姉妹シリーズ』登場人物たちのアナザーストーリーなのだから。ただ、全く肌触りの異なる6篇の話は、各々独特なオチと空気感があり、多彩な才能の引き出しが感じられて、ファンには嬉しい趣向だ。ちなみに、自分は起承転結のはっきりした、いかにも短編らしい表題作が好みだが、読み手それぞれのツボにはまる作品がきっとあるに違いない。作者の魅力が詰まったお得な一冊。2021/05/27
ジンベエ親分
245
「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」に続く短編集。いずれも登場人物の誰かが比嘉姉妹や前二作の関係者。「居酒屋脳髄談義」が抜群に面白い。ミステリーのような話の運び方だが、最後はやはり怪異に結びつく。カス男どもをコテンパンに論破しながら引導を渡す"あのお方"のタンカに溜飲が下がる(笑) 「悲鳴」は誰が"関係者"か最初分からなかったが、分かった時はトリハダが立った。つか、本編より怖かった(笑) 野崎と真琴の出会いのエピソードもあり、盛り沢山で満足。全体的にミステリー脳を刺激される造りではあるね(^-^*)2018/10/27