感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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54
長編は幾つか読んだ記憶がありますが、短編集は初めてです。夢か現か幻か?愛と憎しみと悲しみが交錯する、怖くて妖しくて美しい横溝ワールド炸裂です。これが男女の究極の愛なのかもしれません。おぞましい世界にぐいぐい引き込まれていきます。表題作「鬼火」はもちろん、ほかの5編も傑作です。良い作品は時代を経ても色褪せず、さらに輝きを増していく。そんな作品集でした。… 怪談じゃないのに、どうしてこんなに怖いのでしょうか〜!?😱 教えて下さった読み友さん、おふたりに感謝します。ありがとうございました。2020/08/25
coco夏ko10角
23
6つの作品収録の短編集。昭和10年~11年に発表された作品。どれも雰囲気たっぷりでいい。2020/01/18
Valkyrie
10
中短編が6篇。最初の「鬼火」は読んだことのある「車井戸はなぜ軋る」に似たテイストで親族だからこその複雑な恨みでじっくり引き込んで最後に予想してなかった方向に...そっちに行くとは思わなかったわ。タイトルにもなっている「蔵の中」を筆頭に耽美で狂った香りの漂う作品集。推理小説ではないけど横溝先生ならではのトリックで引き込まれる。Kindle Unlimitedでなんとなく手に取って読んでみたんだけど当たりでした。2024/05/01
有沢翔治@文芸同人誌配布中
8
横溝正史と言えば推理小説が真っ先に浮かぶ。そしてこのイメージはあながち間違ってはいないが、一面的だろう。なぜなら横溝正史は谷崎潤一郎のような耽美主義の作品も書いているからである。本短編集は「蔵の中」、「鬼火」など、そのような短編を五つ収録している。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51514518.html2020/08/24
マーロウ
7
横溝正史の戦前の短編集を。 幻想的な、白昼夢のような作品が多く、表題作以外も中々のクオリティ。 かいやぐら物語、面影双紙など、夢現にさせる感じが好み。2023/02/12