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永遠についての証明

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041072196
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

親友の遺したノートには未解決問題の証明が――。数学の天才と青春の苦悩。特別推薦生として協和大学の数学科にやってきた瞭司と熊沢、そして佐那。眩いばかりの数学的才能を持つ瞭司に惹きつけられるように三人は結びつき、共同研究で画期的な成果を上げる。しかし瞭司の過剰な才能は周囲の人間を巻き込み、関係性を修復不可能なほどに引き裂いてしまう。出会いから17年後、失意のなかで死んだ瞭司の研究ノートを手にした熊沢は、そこに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述を発見する。贖罪の気持ちを抱える熊沢は、ノートに挑むことで再び瞭司と向き合うことを決意するが――。
冲方丁、辻村深月、森見登美彦絶賛! 選考委員の圧倒的な評価を勝ち取った、フロンティア文学賞3年ぶりの受賞作!

岩井 圭也[イワイ ケイヤ]
著・文・その他

内容説明

特別推薦生として協和大学の数学科にやってきた瞭司と熊沢、そして佐那。眩いばかりの数学的才能を持つ瞭司に惹きつけられるように三人は結びつき、共同研究で画期的な成果を上げる。しかし瞭司の過剰な才能は周囲の人間を巻き込み、関係性を修復不可能なほどに引き裂いてしまう。出会いから17年後、失意のなかで死んだ瞭司の研究ノートを手にした熊沢は、そこに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述を発見する。贖罪の気持ちを抱える熊沢は、ノートに挑むことで再び瞭司と向き合うことを決意するが―。第9回野性時代フロンティア文学賞。

著者等紹介

岩井圭也[イワイケイヤ]
1987年生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

227
岩井圭也さん初読み。読友さん達が絶賛だったのでハードルが上がり過ぎていたのか、肩透かし感があったのが読了後の正直な気持ち。数学者・瞭司と親友・熊沢の二人の視点で進む物語は、瑞々しくも切ない青春物語なので自身の学生時代を振り返りながら頷ける部分が多いが、肝心要の瞭司の弱さと熊沢の独善が鼻についてしまった。それは「好きなことに打ち込める状況なのに甘ったれて!」と才能ある者への嫉妬なのだろう。それでも、馴染みない数学をファンタジックに想像させたり、魅力的な人々を配置する筆力で、他作品が気になる作家さんになった。2019/05/16

❁かな❁

213
最終章で涙がぶわっと溢れた。若き天才数学者の瞭司。その天才故の孤独や苦悩が描かれる。大学で同じ特別推薦生の熊沢と佐那と出逢い、共に過ごしたかけがえのない日々を回想する。数学苦手なので入り込めるか不安だったが全く問題なかった。関係が崩れ始め瞭司の繊細さ、脆さに苦しくなる。熊沢の講演場面ではその会場で聞いている気分になり、光の粒子がキラキラ舞い、広大な美しい森が開け、満天の星が広がり、胸が熱くなる。切ないけど終わり方がとても素敵で思わず口角が上がる。嬉しい気持ちでそっと本を閉じた。フロンティア文学賞受賞作。2019/01/26

おしゃべりメガネ

194
『夏の陰』の雰囲気がとてもナイスで気になった作家さんの作品です。数学をテーマに繰り広げられ、正直数学ネタに関してはちんぷんかんぷんなまま、読み進めてしまいましたが、そんな流れでも本作の素晴らしさはしっかりと感じるコトができました。ある数学理論に挑む三人の特待生。天才の「暸司」を中心に「熊沢」と「佐那」の三人の個性が眩いくらい弾けて描写されています。本当に残念だったのは自分がもっとしっかりと数学のコトを少しでもわかっていたなら、本作をもっともっと楽しめたのだろうなぁと。数学好きな方は必読の一冊かと思います。2019/07/27

🐾Yoko Omoto🐾

156
ラストに近付くにつれ、涙で文字が追えないほど物語に没入している自分がいた。天才であるがゆえに理解されぬ孤独、純粋であるがゆえに耐えきれぬ孤独。ただ好きなものを追究していたいという望みが、無垢であればあるほど世間の常識と解離していくその様に、息が出来ないほど苦しくなる。天才凡才に限らず、自分を信じ伴走してくれる理解者の存在が、人生においてどれ程重要であることか。類いまれなる才能と引き換えに、生活者としての術を身につける事が叶わなかった主人公の孤独があまりにも切なかった。岩井作品でベスト1に推したい秀作。2019/07/07

モルク

146
数学の理論はちんぷんかんぷん。でも、そんなことを全く感じさせない作品。若き天才数学者暸司の遺した研究ノート。それを手にした親友熊沢は6年後に漸く光をあてる。天才であるがゆえに幼い頃より周りに理解されず孤立してきた暸司に手をさしのべた小沼教授そして盟友熊沢と佐那だけが彼の理解者だった。しかし彼らが離れていった時、暸司がすがるものは数学と酒だけだった。彼の孤高を思うと切なく涙が滲む。またすごい作家が現れた。「夏の陰」も是非読んで見たい。2019/07/02

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