出版社内容情報
ラグビーで繋がれる、かけがえのない縁と成長の物語。河川敷で丸川が遭遇した、40歳以上の選手による草ラグビー。そこには、年代もバラバラな大人たちの、泥まみれの姿があった。楕円のボールでつながった絆を頼りに、丸川は己の人生を見つめ直していく――。
安藤 祐介[アンドウ ユウスケ]
著・文・その他
内容説明
生きる希望を失い、死に場所を求めて河川敷をさまよっていた丸川は、泥まみれになって楕円のボールを追う男たちと出会う。40歳以上限定の「不惑ラグビー」に打ち込む彼らのおせっかいで、生き続ける道を選んだ丸川。心を通わせていくなかでかつて背負った罪と向き合っていくが、過去をチームメイトに知られてしまう。仲間もそれぞれ事情を抱えていて…。人は何度でも立ち上がることができる。大人の青春ラグビー小説!
著者等紹介
安藤祐介[アンドウユウスケ]
1977年、福岡県出身。2007年『被取締役新入社員』で第1回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
117
不惑ラグビー。40歳以上のメンバーでのラグビーチーム。不惑を迎えても、実際は人生に惑うと思う。かく言う私は惑っている。不幸な事件で罪を犯した丸川は死に場所を探していた。偶然に不惑ラグビーチームの大江戸ヤンチャーズに出会う。チームメイトとのやり取りを経て丸川は、死から生に向かう。チームメイトもそれぞれに悩みを抱えている。ラグビーを糧に、それぞれの悩みに向かい立ち上がる。人生はままならない。むしろ辛く厳しいことが多いだろう。だが、生きて努力すればやり直せるはず。苦闘する全ての人にエールを送る素晴らしい作品。2020/11/17
やも
88
これは熱血!【大江戸ヤンチャーズ】は不惑ラグビーチームだ。話は自殺を考えていた男・丸山がヤンチャーズの練習風景に遭遇、のち勧誘される場面から始まる。ラグビーが好きだ、のシンプル・イズ・ベストの気持ちで繋がっていたはずのチームだが、丸山の過去を知ったことをきっかけに不穏な空気が流れ始める…。▶不惑のラグビーチームのはずが惑わされてばかり。若干言葉が足りない気もするけど、体育会系のみんなにはこの位のカラッとさが似合うね。チームメイト其々のラグビーへの想いや向き合い方が、人生とも向き合っていることになる。★42022/08/31
thee birdmen
52
ラグビーワールドカップが面白い。なんで今まで見なかったんだろうって不思議に思うくらい面白い。そんな中で読む不惑のラグビーが面白くないわけがないってなもんです。全くの素人だけど、やってみたいなと思えるくらいラグビーの魅力が詰まってました。色々抱えてるおじさんたちに掛け値なしの友情を感じる場所があるって素敵過ぎる。『後退しながら前に進もうとする。まるで人生みたいじゃないか』というウタさんの言葉が大好きです。2019/10/28
Walhalla
42
自らの意思で人生を閉じる寸前に、草ラグビーチームと出会った男性の物語です。入部資格は40歳以上で、中高年のオヤジが集まった不惑チームです。ラグビーの理念を反映したオヤジたちには、社会的地位も生活環境も関係ありません。 『後退しながら前へ進もうとする。まるで人生みたいじゃないか』。紳士のスポーツとも言われるこの素晴らしい競技を通じて人生を見つめ直していく姿は、泥臭くとも美しいですね。2021/02/25
タルシル📖ヨムノスキー
38
論語にある「四十にして惑わず」なんて絶対嘘だ!家庭でも職場でも、自分は40過ぎてから迷走するばかりで嫌になる。まぁそれはともかく、これは、ある事件で人を死なせてしまった男丸川を中心に、それぞれ問題を抱えながら、シニアラグビーに打ち込むオヤジたちの物語。この物語を読んで、スポーツでも音楽でも、とにかく仕事や家庭以外のコミュニティに所属することって、やっぱり必要なんだとつくづく感じた。丸川の自殺を止めチームに誘った宇多津老人がとにかくカッコいい。エピローグ手前でだいぶハラハラしたが、最後は大団円でホッとした。2020/11/11