出版社内容情報
”鬼畜系特殊設定パズラー”が放つ、異形の本格推理。一切嘘がつけない結合人間=”オネストマン”だけが集う孤島で、殺人事件が起きた。容疑者たちは“嘘がつけない”はずだが、なぜか全員が犯行を否定。紛れ込んだ”嘘つき”はだれなのか――。
白井 智之[シライ トモユキ]
著・文・その他
内容説明
生殖のために男女が身体を結合させ「結合人間」となる世界。結合の過程で一切嘘が吐けない「オネストマン」となった圷は、高額な報酬に惹かれ、オネストマン7人が孤島で共同生活を送るドキュメンタリー映画に参加する。しかし、道中で撮影クルーは姿を消し、孤島の住人父娘は翌朝死体で発見された。容疑者となった7人は正直者のはずだが、なぜか全員が犯行を否定し…!?特殊設定ミステリの鬼才が放つ、狂気の推理合戦開幕!
著者等紹介
白井智之[シライトモユキ]
1990年千葉県印西市生まれ。東北大学法学部卒。在学中はSF・推理小説研究会に所属。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mihya
88
本の内容説明を見て読み始めたのに、全く異なるグロシーンの連続。気持ち悪くなるような鬼畜設定。なるほど、これは読み手を選ぶだろう。「そして誰も死ななかった」「人間の顔は食べにくい」を読んでいたが、この設定は酷い(凄い)。なのに、途中でやめることが出来なかった。 読み終えてみれば、結構しっかりしたミステリー。でも疑問も残っていて、あれこれ考察してしまう。面白かった。2023/05/07
ちーたん
76
★★★☆☆白井作品2冊目。初読となった新作『そして誰も死ななかった』が面白かったので手に取ったが『そして〜』は白井さんの作品群では割とホワイトだと痛感。でも共通するのはこんな事良く考えるなという著者の発想力がド肝級!挫折者多数と聞いてたので心してページを捲る一行目に飛び込んできたのは[大樹の締まった肛門に、千果の人差し指がゆっくりと押し入ってきた]そっち?でもこれが本書の大事な肝であり、エログロゲスのSF展開を経て、独特の孤島クローズド・サークルへ。万人にオススメは出来ない😅けど他作品も読んでみよう。2019/12/08
カムイ
60
白井氏の作品二作目。今回も読み手を撰ぶストーリーでしたね😆エロ、グロ、てんこ盛り(ヒューヒュー)胸くそ悪くなりますがね。[正直者の島]の章では一転変わって本格ミステリーにしいて上げればアガサクリスティの【そして誰もいなくなった】を想起させる展開であった(だいぶ違いますけど)展開の読めなさは感服してしまいました。ただ、続けて白井氏の作品は控えたい気分でもある。お勧めできる本ではありませんがミステリー好きな人には一考ではあります。2022/10/02
hit4papa
58
男女が一体となり異形と化すのが正常とみなされる世界を舞台にした超絶異色ミステリ。プロローグは、女性が男性の肛門から潜り込む痛感を刺激する結合シーン。胸くそではあるものの興味がそそられます。そこから章を分けて物語が展開し、エピローグでぐっとまとまるという趣向です。スプラッターホラーと見まがうR18描写の連続ですが、途中で止めてしまうのは惜しい。最終章はクローズドサークルもので、前章から引き続く7人の結合人間たちが孤島の中で連続殺人に巻きこまれます。破綻に陥らず、きちっとしたミステリに仕上げているのがすごい!2024/03/04
Akira
54
★★★★ いやいやいやいや〜何ですかこの本は!出だしからいきなり凄すぎて、これ以上どうなってくんだろうと思いきや…中盤からはガラッと変わって孤島に閉じ込められる本格風推理小説的な⁈。最後は寧ろ複雑で頭の整理がつかない状況へ。そもそも結合人間時点で既に頭はパニクってるんですけどね(笑)。奇抜な設定、露骨なグロさ、有無を言わせない強引さ…嫌いじゃない。またみんなに勧めたい本が増えてしまった笑笑。オネストマンって!結合が頭から離れませぬ2018/09/09