出版社内容情報
訪れた者は、この場所で自らの業と向き合う。それがこの《館》のルール。札幌市にある古びた屋敷。そこに辿り着けるのは、ある条件を満たした者だけ。さまざまな理由で屋敷を訪れた人々は、謎多き住人たちに罪を暴かれてゆくことに。ロジックの名手が紡ぐ、極上“館”ミステリ!
石持 浅海[イシモチ アサミ]
著・文・その他
内容説明
北海道札幌市にある大きな屋敷。公園と同じ名の表札を掲げるその建物に吸い寄せられるように足を踏み入れた客の境遇はさまざまだ。「友人と、その恋人」を連れた若者、「はじめての一人旅」に出た小学生の女の子、「徘徊と彷徨」をせざるを得ない中年男性、「今度こそ、さよなら」をするために過去をひもとく女性…。屋敷を訪れた人々は、謎多き住人に真実を暴かれてゆくことに。ロジックの名手が紡ぐ、極上“館”ミステリ!
著者等紹介
石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。97年、鮎川哲也編『本格推理11』に短篇「暗い箱の中で」を発表、2002年『アイルランドの薔薇』で長篇デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
89
★★☆☆☆22115【罪人よやすらかに眠れ (石持 浅海さん)k】『中島公園の西側にある大きな家、家というより屋敷、いや館と呼んだ方がしっくりくる。石造りの階段を五段ほど上がったところに鉄製の門がある。建物の周囲は高い塀に囲まれているから家そのものは見えない。』ワクワクする書き出しだよ〜。(しかも住んでる方々はルックス抜群で金持ちのお節介好き?)七つの連作短編どれも似通った小規模ミステリーだったので途中からパターンが読めてしまったことが残念です。石持さんは好きな作家ですけど、稀に相性の合わない作品が...2022/12/15
涼
65
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/08/post-94216c.html いずれも、長良の見事な推理が冴えているようでいて無理があり、読後感はスッキリとは言えませんでした。2024/08/12
たぬ
38
☆4 石持さん4冊目。札幌は中島公園近くにある見惚れるほどのお屋敷・中島邸は業を抱えた一般庶民ホイホイなのです。たぐいまれなる美貌の持ち主の探偵役の正体が最後まで謎のままなのが良い。未確定含め人死にが毎回出ているのにどことなく柔らかい雰囲気なのは中島邸の人たちが上品なのと急かさない筆遣いのためかな。実に読みやすくまた各話とも面白かった。2021/03/19
left7
35
石持さんの作品を読むのは(自分の感覚としては)かなり久しぶりです。今作を読んでいて「石持さんはこうでなくっちゃ」という感覚を味わえましたし、最低限の状況や会話からとてつもない切れ者が真相(と思われるもの)に辿り着いてしまう安定の石持さんパターンでした。北良さんがなぜ中島家にいるのかは最後まではっきりはしませんでしたので、もし続編があるならそこも描いてもらいたいです。2019/05/29
あっちゃん
33
業を背負った者が導かれる館、そして暴かれる真実!という感じの連作短編(笑)相変わらずダークだけど、短編なので読みやすい!しかし謎の家族構成の館で謎のまま、続編するつもりかな?(  ̄▽ ̄)2018/12/03