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角川文庫
戦争とおはぎとグリンピース―婦人の新聞投稿欄「紅皿」集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041068847
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

昭和29年以降、高度経済成長期を迎える日本。沸き立つ空気の中であっても、人々の暮らしには未だ戦争の記憶が色濃く残っていた。息子の生還を祈っておはぎを作り続けた母、満州引き揚げの際も決して手離さなかった形見のなべ。ヨウカン、ライスカレー、グリンピース。新聞の小さな投稿欄に登場する食べ物に、家族のため必死で生き抜いた女性たちの戦争と戦後が浮かび上がる。強さと優しさが胸を突く42編の昭和の記憶。

目次

鳥目
夫の遺影に
模型飛行機
イースターの卵
女というもの
お手玉
平和への願い
帰国者
愛国心
入道雲〔ほか〕

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

56
表紙の女性たちの強い眼差しが印象的。1954年から62年、西日本新聞に寄せられた女性たちの投稿から。戦争が終わってまだ20年もたってない頃。暮らしの中にも記憶の中にも、戦争はくっきりと刻み込まれていて。空襲で逃げまどったり、身近な人を戦いで失ったり、多くの人がそんな経験を持っていた時代。平和への喜びと解放感が、強い不戦への想いが、再軍備への危機感が、こまやかに綴られる日常の情景の中に溢れている。あの頃確かに戦争は「今」と地続きだったんだ。遠ざかる昭和の貴重な記録。2019/08/14

pohcho

40
敗戦から9年が経った昭和29年に始まった西日本新聞の女性投稿欄「紅皿」。誕生から10年間の間に寄せられた約3000もの投稿の中から、42編の文章が拾い上げられた。「教科書」の健気な子ども、正直に働く「タマゴのじいさん」、「じゃがいも物語」や「ふたごのひい孫と孫」は小説を読んでいるような 気持ちになった。短い文章の中に時代を必死に生きた人々の人生がこめられていていた。女性達が心から願うのは平和な世界。その思いを忘れないようにしたいと思う。2019/09/27

香菜子(かなこ・Kanako)

22
婦人の新聞投稿欄「紅皿」集 戦争とおはぎとグリンピース。西日本新聞社の著書。西日本新聞で60年以上続く女性投稿欄「紅皿」から誕生した良書。いつの時代も女性は強く美しい。西日本新聞に届いた女性たちからの投稿の数々。胸を打たれる投稿もあれば涙なしでは読めないような投稿もある。西日本新聞だからこそ西日本新聞にしかできない一冊です。新聞不要論もあるけれど、新聞の存在意義、西日本新聞の存在意義についても改めて考えさせられます。2022/08/05

keith

19
西日本新聞が昭和30年頃に設けた投稿欄「紅皿」。戦争を経験された女性たちの投稿集です。さりげない日常の中で感じたことを書かれていますが、中には、ある人は母として、ある人は妻として、ある人は娘として、戦争によって大切な人を失った悲しみに溢れているものもありました。2019/12/16

hitotak

10
昭和30年代の西日本新聞に投稿された、戦争にまつわる投稿をまとめた一冊。終戦から10~15年後の投稿であり、まだなお辛く苦しかった戦時下の日々の記憶は鮮明だ。食糧や生活必需品が手に入らない苦労話が多い。しかしどれも女性らしく優しい筆致で書かれていて、その投稿欄のカラーのようなものもあるかも知れないが、当時を懐かしむような気持ちの余裕も生まれていたように感じる。戦死した夫や息子を書いたもの、引き揚げ時の苦労など今では考えられないような辛い話も多く、当時の女性たちの辛苦が伝わる。2019/12/08

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