出版社内容情報
森 絵都[モリ エト]
著・文・その他
内容説明
目立つためだけに指揮者を引き受けた心平は、合唱コンクールを成功に導けるのか。持久走大会の裏で行われた里緒とアリスのある賭けの行方は。そして迎えた修了式、委員長のヒロはこの日もクラスの問題に頭を抱えていたが―。毎日顔を合わせていてもまだまだ知らないことがある。イベントとトラブルが盛りだくさんの1年A組後半戦、クラス全員が主人公となって繰り広げられる、ひとりひとりの成長物語、完結!
著者等紹介
森絵都[モリエト]
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業。91年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞、『つきのふね』で野間児童文芸賞、『カラフル』で産経児童出版文化賞、『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
112
何か特別なことが起こるわけでもない、ふつうの中学生24名の物語。でも、だからこそ、読者はその中に記憶の中の自分自身を重ね合わせることができる、確かにあの時、あの場所で、自分自身ももがき苦しみながらも生きていた、そして、その道の先に、今の自分がいる、と噛み締めることができる、そう思いました。 “森絵都さんという小説家が中学校を舞台に作品を描くとこうなります”、というイメージそのままの安心の”森絵都クオリティ”で綴られたこの作品。 ああ、森絵都さんのこの世界観がたまらない!、そう強く感じた作品でした。2020/12/21
★グラスハート★
89
2.0 前期同様たいして山がある内容ではなかった。クラス全員が主人公となって繰り広げられる物語の完結。 森さんはまだこういう作品をかけるんだなぁ 凄い。2020/05/20
エドワード
55
セーラー服と詰襟の表紙の絵が郷愁を誘う。私も詰襟だった。今や絶滅危惧種の制服がおとなしめの生徒たち―リアルだけどいじめもなく今のオトナの昔話という雰囲気を象徴しているかな。後期は合唱コンクール、持久走大会、バレンタインデーと盛り上がっていく。不登校中の田町がピアノ伴奏者として復帰する回が涙モノ。乱暴者の近藤、なまけ者の至、はみ出し生徒がクラスへとけこんでいく様がいい。お別れ会、あったね。合唱コンクールの歌が自然に出て来る辺り、マジでありましたよ。私は今でも仮面ライダーを空で書けるよ。1号2号だけどネ。2018/08/07
ぼっちゃん
50
北見中学1年A組24名のそれぞれの物語。前期後期で24名の物語が書かれているので1人15ページ程度だが、24名それぞれの性格などを書き分け、その中に他の人からすればたいしたことがないことでも本人にとっては重大な悩みであり、それらと向き合う中成長し自分の居場所を見つけていく姿が上手く描かれている作品だった。中高生にはお薦めですね。2024/10/04
ユメ
50
〈前期〉でクラスメイトの視点から描かれていた子が、自分が主人公になった途端まったく別の顔を見せる。思いがけない一面が見られるたびに小さく歓声を上げたくなった。改めて、森絵都さん、うまいなあと思う。平凡でかけがえのない中学校生活がすぐれた群像劇に仕立てられている。そして〈前期〉で気がかりなまま終わった事件が少しずつ解決へ向かう流れも気持ちいい。ほろりとする場面もしばしば。何だか自分も一年A組の一員になったような気分で、全員揃って修了式を迎えられたことを祝福するような桜の花びらに目を細めながら読み終えた。2018/07/17
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