出版社内容情報
私の部屋には、捨てた男の骸骨が立っている…「嘘愛」著者のデビュー受賞作男を初めて部屋に上げるときには、かなりの勇気がいる。
もしこの男に、見えてしまったら……。
まもなく40になる独身の真千子が独りで住まうアパートの部屋の何もない壁には、かつて捨てた恋人、博也の骸骨が立っている。知り合ったばかりの男を部屋に入れた夜、暗闇の中で男の愛撫に博也の癖を見つけ……。(第3回『幽』怪談文学賞受賞作「枯骨の恋」)
職場のパワハラで自殺した年下の同僚。彼女の家族に訴訟をけしかけようと、実家がある田舎を訪れた千穂。そこで出会ったのは、予想外の反応をする母親と、若い死者に対する奇妙な風習だった。(「アブレバチ」)
『嘘を愛する女』が話題の著者、デビュー作&第3回『幽』怪談文学賞〈大賞〉受賞作(選考委員/岩井志麻子、木原浩勝、京極夏彦、高橋葉介、東雅夫)が待望の文庫化。
(単行本時タイトル:『枯骨の恋』)
単行本収録作品に、不倫相手との縁切り物語1篇を加えた8つの傑作怪談。
現代を生きる30?40代の女性のリアルな情念と、突きつけられる現実、その中で少しでも光を掴みたいともがく姿を描いた、怖くてエロくて美しい短編集。
目 次
枯骨の恋 (第3回『幽』怪談文学賞 短編部門大賞受賞作)
翼をください
アブレバチ
縁切り厠
ギブミーS
棘の路
親指地蔵
メモリイ
解説(門賀美央子)
岡部えつ[オカベエツ]
著・文・その他
内容説明
男を初めて部屋に上げるときは、かなりの勇気がいる。もしこの男に、見えてしまったら。もうすぐ40歳の真千子の部屋には、かつての恋人の骸骨が立っている。暗闇の中、知り合ったばかりの男の愛撫に感じたのは…(「枯骨の恋」)。職場のパワハラで自殺した同僚。実家を訪れた千穂が知った、若い死者に対する奇妙な風習とは(「アブレバチ」)。第3回『幽』怪談文学賞受賞作が待望の文庫化。女たちの怖くてエロティックで美しい物語。
著者等紹介
岡部えつ[オカベエツ]
1964年、大阪府生まれ、群馬県育ち。2008年、第3回『幽』怪談文学賞短編部門“大賞”を受賞、翌年、受賞作を表題とした短編集『枯骨の恋』でデビュー(文庫化にあたり『夢に抱かれて見る闇は』と改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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