狼の義―新 犬養木堂伝

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  • サイズ B6判/ページ数 480p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041066430
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

この男を失い、日本は焦土と化した。

最期の言葉は「話せばわかる」「問答無用」ではなかった!?
5・15事件の実態はじめ、驚愕の事実に基づく新評伝。
政界を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的筆力で描く!!

「極右と極左は毛髪の差」(犬養毅)
日本に芽吹いた政党政治を守らんと、強権的な藩閥政治に抗し、腐敗した利権政治を指弾し、
増大する軍部と対峙し続け、5・15事件で凶弾に倒れた男・犬養木堂。
文字通り立憲政治に命を賭けた男を失い、政党政治は滅び、この国は焦土と果てた……。
戦前は「犬養の懐刀」、戦後は「吉田茂の指南役」として知られた古島一雄をもう一人の主人公とし、
政界の荒野を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的な筆力で描く。
最期の言葉は「話せばわかる」ではなかった!? 5・15事件の実態をはじめ、驚愕の事実に基づく新評伝。

「侵略主義というようなことは、よほど今では遅ればせのことである。どこまでも、私は平和ということをもって進んでいきたい」
(1932年5月1日、犬養首相の日本放送協会ラジオ演説より)
真の保守とは、リベラルとは!? 明治、大正、昭和の課題を、果たして私たちは乗り越えられたのか?? 

※本書は2017年に逝去された林新氏が厳格なノンフィクションでなく、敢えて小説的な形式で構想し、着手したものを、堀川惠子氏がその意志を受け継ぎ、書き上げたものです。

内容説明

日本に芽吹いた政党政治を守らんと、強権的な藩閥政治に抗し、腐敗した利権政治を指弾、増大する軍部と対峙し続け、5・15事件で凶弾に斃れた男・犬養木堂。文字通り立憲政治に命を賭けた男を失い、政党政治は滅び、この国は焦土と果てた…。真の保守とは、リベラルとは!?戦前は「犬養の懐刀」、戦後は「吉田茂の指南役」として知られた古島一雄をもう一人の主人公とし、政界の荒野を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的な筆力で描く。驚愕の事実に基づく新評伝!

目次

古老の追憶
戦地探偵人
政変と“剃刀”官吏
憲法誕生
帝国議会の攻防
国粋主義の焔
孤立する策士
革命
「憲政の神」
「神」の憂鬱
普選の代償
見果てぬ夢
最後の闘争
テロルの果て
五月の空

著者等紹介

林新[ハヤシアラタ]
1957~2017年。慶應義塾大学経済学部卒。NHKエグゼクティブ・プロデューサーとしてNHKスペシャル、大型企画を担当。「ドキュメント太平洋戦争第4集責任なき戦場~ビルマ・インパール~」(文化庁芸術作品賞)、「家族の肖像」シリーズ(ギャラクシー賞)、「世紀を越えて」「JAPANデビュー天皇と憲法」など近現代史に造詣が深い

堀川惠子[ホリカワケイコ]
1969年生まれ。テレビ記者を経てノンフィクション作家。『死刑の基準』で講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命』で新潮ドキュメント賞、『教誨師』で城山三郎賞、『原爆供養塔』で大宅壮一ノンフィクション賞、『戦禍に生きた演劇人たち』でAICT演劇評論賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

54
立憲政治、政党政治に文字通り命を懸けて取り組み「憲政の神様」と呼ばれた犬養毅の生涯を描いた作品。新聞記者として従軍した西南戦争から政党政治が終焉を迎える5.15事件までを描く。犬養毅がいかに偉大な人物であったか再認識するとともに個人が命を懸けても止めることのできない歴史の運命や皮肉といったものも同時に感じさせられた。ノンフィクションながら小説形式を採ることで生々しい臨場感を出している。丹念な取材と著者たち(林氏の病没ののち奥様である堀川氏がその志を受け継いだ)の熱い想いがこめられた素晴らしい一冊。2024/02/16

さぜん

53
亡夫の意志を受け継ぎ書き上げた、超骨太の傑作ノンフィクション。5.15事件で凶弾に倒れた犬養木堂(毅)の生涯を小説形式で描く。日本の教育では何故こうも歴史や政治を学ばないのか。歴史用語だけ詰め込んでも意味がない。犬養と腹心であった古島一雄を通して明治に始まる日本の立憲政治の歴史と、真のリベラルとはを突き詰めていく過程に釘付けになった。戦争を回避するために政治家として命を賭ける姿に何度も震える。今の政治家達を見てどう思うのか。先人達が獲得した政党政治の意義が問われている。2024/09/01

クリママ

50
史実をもとに小説として描かれた犬養毅の生涯。彼の懐刀だった古島一雄の回顧として語られる。岡山から身一つで上京し、慶應義塾に通いながらも、西南戦争に従軍し新聞記者として働いたが、恩師福沢諭吉に啓発されていく。明治の傑物達がきら星のごとく登場し眩暈がするようだ。薩長罰の打破、憲政の擁護、政党政治を目指した犬養の蹉跌の道のりが事細かに記される反面、その当時の大きな事件はわずかな記載にとどまり、何が重要なのかを読み取るのが難しかったが、後半にかけての中国との関係、軍部との対立は、読み応えがあった。2025/04/01

kawa

39
「憲政の神様」と称された犬養毅を追う小説風ノンフィクションの労作。日露戦以後の国の増長と挫折、その原因となる嵐の様な政争、さらに軍部との丁々発止、孫文らアジアの革命家との交流等を描く。歴史好きの自分にとっては、興味があるけれどなかなか見えなかった芯の部分に、ドンピシャに刺さる充実作。本書で郷土出身の政治家・大正デモクラットの植原 悦二郎を知る。犬養のブレーンでもあったこの人、追っかけしてみたい人物だ。2021/10/04

kawa

38
(再読)堀川さんの「透析を止めた日」から、ご主人・林さんの遺作の本書を再び。1932年5.15事件で凶弾に倒れた犬養毅総理と懐刀の古島一郎を主人公とする歴史小説。西南役での西郷や三浦梧楼との因縁、藩閥政治に対する挑戦、私利私欲が先行する政党間の軋轢、軍部との熾烈な争い、読みどころ多数の力作。わが郷土出身者として、善玉協力者の植原悦二郎、悪玉の中村弥六が登場をテイクノート。それにしても、韓国公使として閔妃殺しを主導した三浦梧楼が昭和の世まで実力者として生き残りフィクサー役を担ったという事実はため息もの。2025/05/18

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