出版社内容情報
90年代に新聞連載された幻の不倫小説が、初書籍化!東京在住の建築家・大和田に、新しいレストランの設計を依頼した朝子。打ち合わせを重ね、小競り合いを繰り返すごとに惹かれてゆく二人。東京と地元とを行き来する朝子の前に、思わぬ障害が現れて??。
林 真理子[ハヤシ マリコ]
著・文・その他
内容説明
朝子の不貞に競り合うかのように、「みずうみ会」の婦人仲間・文恵は、街に招聘した作家・加藤に甘え迫った。二人の噂に自分達を重ね、怯える朝子。だが建築家の大和田はさらに大胆に踏み込んできた。開店するレストランのシェフの面接を理由に箱根を訪れた二人だったが、朝子の夫や友人の文恵の存在が恋愛感情に影をもたらし―。都会と地方、男と女、家庭生活と自立のめくるめくドラマをみずみずしく描いた傑作恋愛長編!
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年、山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、95年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri
51
90年代に『中国新聞』等に連載された作品の初書籍化。上巻に続き下巻を読了。浮気夫に愛想を尽かした主人公の朝子はレストランの設計を依頼した建築士の大和田にどんどん惹かれて行く。同じ湖の町で暮らす友人の文恵も朝子と競争する様に作家の加藤との不倫にのめり込む。終始周りの目を気にしながら閉塞感漂う町で暮らす朝子の生きづらさや息苦しさは解るが、全く魅力を感じない大和田に恋愛感情を抱くのが理解不能。軽薄で口が軽く逢瀬のホテルに「ヤッホー」とやって来る様な男は私には無理だ。不倫物語だが盛り上がりもなく物足りない読後感。2019/03/11
くろにゃんこ
43
まぁ、大ごとにならずに終わってよかったね(^^ゞ知らずは当人ばかり…なのだろうな。大和田が軽すぎて子供っぽくて魅力を感じなかった。今、この題材で書いたら…それも読んでみたいです。2019/03/23
カーミン
42
地方の名士の妻であり、美しく、また十分な若さを持つ朝子。たっぷりの金と暇を持て余したら、次に欲しくなるのは愛人なのか。夫の財力で造る朝子のフランス料理店を設計する建築家大和田との関係は、それとなく周りの人間の知るところになるのだが、本人たちはまだそれに気づかない。責任も何も取らずに口説く男も身勝手であるが、それにぐずぐずと振り回される女も情けない。そういいながらも、どこかで朝子をうらやんでいる私がいる。2019/05/27
ぱぴこ*2
28
下巻まで読んで初めて気づく。あぁ、30年近く前の話だったのかと。今なら携帯電話で難なくとれる不倫相手との連絡も、電話ボックスの公衆電話からだったなんて。上巻からずっと感じていた微かな違和感の正体は時代背景の違いだった。しかし、この30年で生活様式がすっかり変わってしまったのだと実感。ストーリーとしては真理子先生にしてはおとなしく落ち着いた感が。久しぶりだったので楽しんで読めました。【図書館本:75】2018/12/27
あつひめ
26
狭い世間、気付いていても誰も言わない…いや、陰では言っているだろうけど、知らぬは本人ばかりなり。いったい、何を求めていた?妻という籠の鳥から大空に羽ばたきたくなった?不倫は夫は良くて妻はダメってことは無い。ただ、自由を手にするということはそれなりの責任もついてくる。失うことの代償。世間体を気にしながら浮気をするならやっぱいねんねだ。久々にスマホも携帯も無い(自動車電話、あれは通話料がものすごく高い)時代の物語。懐かしくなりながら読んだけど、あっさり終わりを迎えたな。成長してレストラン経営に励んでほしい。2024/05/03
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