出版社内容情報
松下幸之助や本田宗一郎に匹敵する経営者西山弥太郎の野望に満ちた生涯。敗戦国・日本に、世界最新鋭の製鉄所をうち建て、高度経済成長の扉を開いた“鉄のパイオニア”の生涯を描く大河小説。
黒木 亮[クロキ リョウ]
著・文・その他
内容説明
念願の溶鉱炉を手にした西山弥太郎は、千葉製鉄所を完成させるため世界銀行と融資の交渉を開始し、息つく間もなく岡山県水島工業地帯で世界最大級の製鉄所建設に乗り出す。人に優しく、自分に厳しく、工員たちから「おやじ」と慕われた西山は、絶妙の人使いで3万人近い従業員を束ね、病に斃れる最期の瞬間まで、最高の鉄づくりに執念を燃やした。―高度経済成長の扉を開いた“鉄のパイオニア”の生涯、堂々の完結!
目次
第6章 高炉の病気
第7章 世銀借款
第8章 涙の第一ホット
第9章 夢の水島
第10章 哀愁尽きることなく
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンスなどを手がける。2000年、『トップ・レフト』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へいがぁ
5
労作です。こういう人たちが、リーダーシップを発揮して、戦後の高度経済成長を支えたことが良く判りました。2018/05/01
すのす
3
終わってしまった。世銀も、岡山県も、ライバル他社も、みんな魅力的人間ばかり。最後まで現場一筋、工場のひとも労使も心酔する。当時の世情では、求められていたのだろう。高度経済成長の礎にもなった先見性。家族思いのところと亡き長女への愛。今はJFEスチールだが、変わらないDNAはある、のかな?2018/07/07
Kiyoshi Utsugi
2
1950年(昭和25年)に川崎重工から独立した(造船と鉄鋼が分かれた)川崎製鉄の初代社長の西山弥太郎の一生を描いたものです。 下巻では、千葉製鉄所の高炉への火入れから、岡山県の水島製鉄所の建設着手、その水島製鉄所の溶鉱炉への火入れを見る前に1966年(昭和41年)に西山弥太郎が亡くなるまでを描いたものです。 まさに高度経済成長期を駆け抜けた人でした。2018/05/04
Ryan
1
全く知見がなかったので、興味深く読めた。ただ、単なる記録の羅列のような気もして、完成度は今一つかな。2024/11/03