内容説明
怪物同士の戦いは、力が倍増する昇格を経て、新たなステージに突入した。希望なき破壊ゲームと化す中、赤軍の王将・塚田は、現実世界でも将棋の敵である、奥本率いる青軍との最終決戦に臨んでゆく。恋人・理紗への思い、奨励会での競争と葛藤、探検部との冒険旅行…去来する現実世界での出来事は、この死闘とどう関係しているのか。そして、なぜ戦いの舞台が軍艦島でなければならないのか?慟哭の真相が明らかになる決着編。
著者等紹介
貴志祐介[キシユウスケ]
1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。生命保険会社に勤務後、作家に。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格ISOLA』と改題して角川ホラー文庫より刊行される。翌年、『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、同書は100万部を超えるベストセラーとなる。2005年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
45
上巻でダークゾーンは現実なのかそれともバーチャルなのか謎だった、展開も目まぐるしくなって着いて行くの大変だった。やっぱり塚田は嫌いなキャラだが少し可愛そうと思うところがある、目指すところに手が届かず挫折するし彼女にも酷い事をしてしまうしホントひで~やつなのです。サスペンスミステリーとしても面白かった、結末は薄々気づいていたがそれでも良かった、貴志祐介の将棋愛に感服するし相当な腕前らしいです、カムイも3手先手だったら羽生善治でも勝てるのに(笑)2021/04/29
kubottar
21
戦闘シーンよりもそのバックストーリーである断章の方が好きだった。物悲しいラブストーリーなのだが、貴志祐介特有のどうしようもならない状況を生きていく男女と、バッドエンド一直線の周りの動きもせつなかった。2018/01/15
きょん
19
異世界と現実の関係がどうなっているのか色々考えていたけど、なるほどそういう事ですか。現実世界での登場人物の愚かな行動から生まれる悲劇と、異世界であくまで第一局からしか始まらない出口のなさがにやりきれない感じがひとしおだった。2018/02/14
ふじさん
17
【上下巻併せての感想】第23回将棋ペンクラブ大賞、特別賞受賞作の二次文庫化。プロに上がれず燻っている奨励会所属棋士の主人公が、突然放り込まれた異空間「ダークゾーン」で怪物化した人間を駒に、殺し合いゲーム七番勝負に挑むソリッドシチュエーション・ミステリホラー。お世辞にも好感が持てるとは言えない主人公を始め、全編に横溢する胸糞の悪さ、息苦しさの中、藻掻くようにゲーム的な戦況の面白さに縋って頁を捲る読書体験は独特。この閉塞感は作中人物達が苛まれる焦燥とも恐らく同質で、自分までが盤上の駒になったような錯覚が→2022/02/13
ざちょう
16
スポーツや音楽などの趣味において、ルールの理解が深まるほど、技術が上達するほど、高度なことができるようになったという経験は、誰にでもあると思います。下巻では主人公と敵側がルールと仲間の能力、地形を理解していったことで、戦闘内容がより高度になっていき、熾烈な争いが展開されます。それと並行して主人公の過去が明らかになっていき、伏線も回収されていくので、ここもポイントかと思います。2018/01/20
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